３１話目 ページ31
月曜の昼、食堂で飯を食ってると『退院してきたよ！』とAからLINEが入ってきた。
隣に座る爆豪を見たら、フッと嬉しそうに笑っていて...同じ内容のLINEが届いたらしい。
「A、退院してきたってよ。」
「マジか、切島？やっと全員揃うな！」
「やっぱAが居ねぇとしっくりこねぇもんな！」
上鳴と瀬呂がハイタッチをして喜んだ。
「おかえり！皆〜！！上鳴、うぇ〜い！」
「お、おぉ！A〜！うぇ〜いっ！」
寮に戻ると俺ら４人を出迎えてくれ、麗日や芦戸達と抱き合ってキャッ、キャッと騒ぎ出す。
「Aくん！退院してきたばかりで...そんなに暴れて大丈夫なのか！？」
飯田が手をシャキシャキと動かしながら聞いてきた。
「あ、うん。大丈夫！ありがとう、飯田くん！」
「おら、クソチビ。勉強すんぞ、こら。」
飯田の方に歩いて行こうとするAの腕を掴んで歩き出す爆豪。
「え...もうすんの？もうちょい遊びたい...。」
「アホか！かなり進んでんぞ。てめぇの頭の程度わかっとんのか？」
「...はーい。」
麗日達にバイバイと手を振りながら返事をした。
「...ヤバい、全くわからんかも...。」
教科書と俺が代筆しておいたノートを見て頭を抱え込む。
「今日から毎日、寮に戻り次第...教え殺すから覚悟しとけや？」
「...お、お手柔らかに...お願いします。」
顔を引き攣らせて、爆豪先生にお辞儀をした。
夜、上鳴と瀬呂が部屋へ戻った途端に、俺と爆豪に抱きついてキスをしてくる。
「んー、寂しかった！！鋭児郎、勝己〜！！」
「俺も寂しかったぜ！」
「Aが居ねぇと静かで落ち着かねぇわ。」
俺と爆豪に頭を撫でられて、猫のようにスリスリと擦り寄って甘えてきた。
「あ、あのさ...その...誕生日プレゼントというか、約束してたやん？」
「...あ、あぁ。」
「あの...３人で...ホテル行こ？」
「「ホテル！？」」
顔を赤くして、恥ずかしそうにホテルに誘ってくる。
「...と、友達に聞いたら...そっちの方が良いって言われてん...。」
「あ？ここじゃダメな理由は...？」
「私が...騒ぐかも...しれんからって。い...痛い...から。」
「...そういう...事か。」
「Aの好きにしろや。負担...でけぇんだろ。」
「う、うん。ありがとう。で、次の...日曜でも...良いかな？」
そう言って顔を両手で覆い隠し、俯いてしまった。
Aのその姿を見て、何かこっちも恥ずかしくなってきて...俺と爆豪は苦笑いをした。
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作者名：梅シロップ | 作成日時：2017年7月14日 19時
