【原神】素直じゃない君へ【男主】 (ページ8)

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1日の療養ページ8

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1日だけ休めとティナリに言われたのでこくりと頷く。
どれ、久々に外を散歩でもしようかな。

『……お』

コ「あ！A…さん！久しぶり、だな、！」

相変わらずおどおどとした返事のコレイ。
出会いはもちろんティナリ経由。

初めこそ俺に対して警戒心やら恐怖心を抱いていたコレイだが、
最近漸く話しかけてくれる様になった。

『うん、久しぶり。調子はどうだ？』

コ「体調はもうすっかり良い、それよりAさんはなんでここに？」

''さん''付けで呼ばれるのは慣れないが、コレイの個性として受け入れている。

『頭痛で2日倒れたそうだ。』

コ「えぇ！？ふ、2日…？お、お大事に…、って、誰がここに運んできたんだ？」

『ティナリが世話をしてくれた』

コ「ああ、2日前にAさんの家に行くって言ってた…」

最近は樹林も危ないからと話してくれたコレイ。
ありがとう、と返事をして別れた。

樹林、ね。

あ、そういえば、アイツ。
放浪者、何してっかな。

「おい」

『…』

「おい！」

『…幻聴？もう少し寝るか』

「おい、お前わざとだろ」

『うーん、夜ご飯何かな』

「おい、お前、お前だってば！」

『名前で呼べば？放浪者くん』

ゆっくりと道端を歩いていると、きっと俺を呼んでいるであろう声が後ろから聞こえた。
だがしかし、その声の主が明らかにアイツのものだったので、あえて無視をしてみる。

お前ってなんだよ、と少し不貞腐れながらも足を進める。

俺にはちゃんと''A''という名があるというのに。
ああ、そういえばアルハイゼンに頼まれた書類終わってないなと考える。

じわじわと焦りを声に滲ませるアイツ。
だからくるりと踵を返してふと言ってやった。

放「…、ふん、なんで君なんかの名前を」

『あっそー、お前さんって人がいんのね、俺の名前とは違うから人違いですわ、さよなら』

名前呼んでもらえないだけで、何を俺はこんなに焦ってるんだ？
いいや、焦ってなんかないさ、ただ素直じゃないアイツに怒りがあるだけで。