第一印象 ページ3
Aside
素直じゃない奴だと、ただそう思った。
何かをする事なくただ雨に打たれ、突っ立って居るアイツが
誰かと重なって見えた。
…その''誰か''が結局誰なのか分からないままだけど。
ざわざわと胸騒ぎがして、居心地が悪かった。
持っていたタオルを投げつけて、踵を返した。
後ろから聞こえたのはなんともまぁ素直じゃない、
俺を否定する様な言葉。
めんどくさそうな奴だ。
素直に感謝も言えないのか?
そんなあいつは口を開き、''匿ってくれ''と頼んできた。
どうにも放浪をして居る身で、身の寄せどころがない様だった。
人にお願いするときの態度がこれか?と思ったりもしたが、
見た目は子供、相当な生意気な野郎なんだろう。
『少しなら、住まわせてやってもいいけど』
だって長くいさせるわけにいかない。
俺だって講習とかが有るわけだから。
これでも教令院の者だ。
口論となったら勝たせてもらう。
_____
そうして始まったのが俺とコイツ、こと放浪者の生活。
それがまさか、あんな事になるとは。
あいつの言う''変なやつ''と俺の言う''素直じゃないやつ''の2人暮らし。
偶然にも俺はすでに両親は他界しているし、
部屋も多くある上に家も広い。
''1人''となった今ではただの虚しい空間に過ぎないけどな。
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るな - この作品気に入っていたのですが…もう更新はしないのでしょうか。いつでも待ってます (2月16日 20時) (レス) id: b6f4e9157d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:河井 | 作成日時:2023年6月16日 2時