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第一印象 ページ2

放浪者side



変なやつだと思った。



雨の中1人でいた僕に''アイツ''はタオルを投げつけてきた。

生憎その時は笠を被ってなくて、
服も体も、髪も何もかもが濡れていた。



あの服が肌に張り付く感覚は妙に不快感が有る。



服が水分を含んで重くなっていた。
その重さは体の重さと比例している様に感じた。







「…」

『…風邪引くぞ』






ただそれだけ言ってアイツは踵を返した。


雨が地面に打ち付けられる音、草木に雨が当たる音、
草木に雨が掠る音、…アイツの声、足音がやけに大きく聴こえた。



僕は疑問を投げかけてアイツを立ち止まらせる。




「…………なんで見ず知らずの僕に親切にするのさ」

『…特に理由はねえ。風邪引かれたら、…なんか居た堪れない。』




変、と思ったのはそこだけでは無い。


…こんな事を言うアイツも、
なんせ傘もろくにささずびしょ濡れでとぼとぼと歩いて居るからだ。




だけれど、水が滴る髪も、睫毛も、肌も、何もかもがやけに目を惹く。




伏せ目がちな横顔が、綺麗だと、美しいと思った。
…こんなの生まれて初めてで、この感情に逆らいたい自分が居た。








…変なやつ。




けど、なんだかコイツと居ると居心地が良くて、
求めてしまう僕もまた居たんだ。



離れたくない。と思った。


咄嗟に僕はこう告げた



''匿ってくれないか''と。





ソイツは数回瞬きをした後、こくりと頷いた。

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るな - この作品気に入っていたのですが…もう更新はしないのでしょうか。いつでも待ってます (2月16日 20時) (レス) id: b6f4e9157d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:河井 | 作成日時:2023年6月16日 2時

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