3話 ページ6
「はい、いっちょあがり」
「ずびまぜんでした」
パンパンと手についた埃を落とす
回りにはまだ少し埃が立っていることから
少し暴れただろうとでも思っててくれ
「ったく、任務前に無駄な体力使った」
「それは自業自と・・・
あ、僕のせいです、はい」
拳を軽く握りしめコムイに見せつけると
すぐにおとなしくなった
俺とコムイの間では武力が最大の行使権力だ
つまり、この場に置いては俺が上
それは覆せない結果だ
「そう言えば神田君がもう少しで到着するらしいよ」
「先に言えよ！！」
そうコムイに怒鳴りつけて司令室から駆け出す
目指すは地下水路
予定は明日だったはずだけど
早いことにいいことはない
一ヶ月間すれ違いが続いたので
会える日を楽しみにしてたのだ
階段を正直に降りるのは面倒くさいので階ごとに飛び降りる
それでも少々時間がかかって3分後
「よし、到着・・・」
まだユウが着く前に地下水路に来れた
我ながら頑張ったと思う
うん、頑張った
ユウも帰ってきたらびっくりするかな？
「・・・あの光かな？」
水路の奥に光が見え始めた
ぼんやりとした光は少しずつこちらに近づいて来ている
知った人影が浮き上がってくる
まだ表情は見えない
心臓の音が早くなっていくのがわかる
心音が身体中に伝わってくる
もう、お互いが見える距離になった
ユウはこちらに気がついたらしく驚いた表情を浮かべている
俺は口パクでこう言った
『お・か・え・り』
「おかえり、ユウ」
「・・・ただいま、紅妖」
必ず決まってこの言葉を交わす
そして、出迎えた方が帰ってきた方の手を握る
やっぱりユウの手の方が温かい
普通、体温は女性より男性の方が高いらしい
まさにこのことだろう
手にはユウの温かさが伝わって来て気持ちいい
それに・・・
「・・・安心する」
「お前いつも言ってるよな
そういうものなのか？」
思わず零してしまった言葉にユウは反応する
こういうのはユウの優しさなのではないかと思う
そういうところは今も昔も変わらないなー
「そういえば、お前は今日任務があるのか・・・」
「まあ、ね」
「またすぐに会えなくなるんだな
それは・・・俺は寂しい」
「それは俺も同じだから
また、休みが被ったらさ・・・
――――二人で一日過ごそうよ」
そう言って、ユウの顔を見る
少し驚いた顔をしてるけど
その後すぐ顔を逸らされてしまった
「・・・た、たまにはいいかもな」
じゃ、報告ついでにコムイに申請だね
・・・ま、一発でオーケーもらうけどね
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅妖 - 神田ゆえさん» ありがとうございます。またぐたぐたとならないようにがんばります。これからもどうぞごゆっくり (2016年3月7日 14時) (
レス) id: 9cae4997cb (このIDを非表示/違反報告)
神田ゆえ - はじめまして、神田ゆえと言います！訂正前から見ていました。これからも更新頑張って下さい！！ (2016年3月6日 21時) (レス) id: 151e64ac64 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅妖 | 作成日時：2015年12月7日 17時
