13話 ページ15
懐かしいものを見た
それは子どもの頃の私だった
今思うけど結構荒んでたな・・・
髪を引っ張り切られ
皮膚を斬り刻まれ
・・・時には熱した鉄を押し付けられたことだってあったっけ
辛かったな
苦しかったな
泣きたかったな
箱から見える景色は変わっていくのに
私の身体は色付いていくのに
外の人は変わらなかった
希望なんて棄ててきた
感情なんて置いてきた
声なんて亡くしてきた
色なんて・・・・・・
―――――元から無かった
私は夢の中の私を抱き締めようとした
今はそれくらいしかできない
これはただの私たちの傷の舐め合いだ
自分を守るすべを、殺すすべを、偽るすべを
身に付けていない素の私の
「・・・やっぱり弱いな」
生温い液体が頬を伝う
意識がうすれていった
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紅妖 - 神田ゆえさん» ありがとうございます。またぐたぐたとならないようにがんばります。これからもどうぞごゆっくり (2016年3月7日 14時) (レス) id: 9cae4997cb (このIDを非表示/違反報告)
神田ゆえ - はじめまして、神田ゆえと言います!訂正前から見ていました。これからも更新頑張って下さい!! (2016年3月6日 21時) (レス) id: 151e64ac64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅妖 | 作成日時:2015年12月7日 17時