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ざいあくかんとなきむし ページ18

そらるside


「う、ひっ、うえ、ひっく、」

「よしよし」

「うっ、うえぇぇ…」


本格的にぐずりだしたAを抱きしめ、膝の上に乗せる。
流石に言いすぎたか、と一人反省。
ぎゅう、と握りしめてくる手が何だか弱々しく思えて。
そうさせてるのは俺か、とまたため息。


「わか、てるもん…っ」

「ん?」

「わかってるもん…!僕が、行っちゃいけないって、わかってるもん…!」

「…A、」

「でも…っ、かなさんっ、いつも、一緒にいれないから…っ」


本当にバカだ、俺。
寂しい思いさせて、最後泣かせて。
守るって決めたの、どこのどいつだよ。

悲しい思いさせないって、決心したのは誰だったんだよ。


「ごめん。ごめんな、A」

「かな、さ、は、悪くな…っひっく、う、」

「ごめんな、いつも、寂しい思いさせて」


額の髪を掻き分けてキスを落とす。
優しく触れて、次は唇に。
いっかい、にかい、さんかい。
角度を変えて何度か口付けた。
Aは涙で頬を濡らしながら、触れるだけのキスに一生懸命応えようとする。
その様子が愛おしくて可愛くて。


「我儘言っちゃダメなんじゃないよ、A。
でも、だからって誰かに迷惑かけるのは違うよね?」

「うん、うん…っ!」

「ん、じゃあもう終わり。確かにこれから忙しくなるけど、寂しい思いさせないように、ずっとそばにいるから」


もう一度ちゅ、と唇にキスを落とし、Aを見つめる。
Aは、サンタからプレゼントを貰えた子供のような笑顔を浮かべていた。
涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を自分の袖口で拭ってやる。

俺の胸板に頰を擦り寄せるAは、いつ見ても可愛い。


「今日、一緒に寝る…」

「ん、いいよ。一緒に寝よっか」


いつもより少し素直なAに、俺はもう一度微笑んだ。

りはーさるのあさ→←わかってるけど



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奏多(プロフ) - む犬【ノノ】さん» ありがとうございます!ただいまー! (2018年6月7日 21時) (レス) id: 75ed9ac2a7 (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - 雨音@新あかになったおさん» ありがとうー!!めっちゃ嬉しいんですけど!?めっちゃ嬉しいんだけど!?ただいまだよ久しぶり! (2018年6月7日 21時) (レス) id: 75ed9ac2a7 (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - あおなさん» ありがとうございます…!嬉しいです! (2018年6月7日 21時) (レス) id: 75ed9ac2a7 (このIDを非表示/違反報告)
む犬【ノノ】(プロフ) - お気に入りは死んでも外さない!!!! お帰りなさい…でいいのかな?更新とかいつまででも待つからだいじょぶだよ!!! (2018年6月6日 23時) (レス) id: f250e10484 (このIDを非表示/違反報告)
雨音@新あかになったお(プロフ) - お気に入りを外すわけないでしょ!!大好きな作品で大好きな作者さんだからお気に入りしてるの!ファンからしたら、待ってる時間が短くても長くても楽しいの!あとお帰り!!お久しぶり!() (2018年6月6日 22時) (レス) id: 897ff7d5b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奏多 | 作成日時:2017年11月19日 11時

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