誕生日を祝おう！その九（番外編的なもの） ページ16
７月８日
今は午前の９時
私は今日という日を昨日から楽しみにしていた
そのせいで昨日の夜はなかなか寝つけなかった……わけではないけども
眠い意識のまま部屋でダラダラと過ごした後、布団をたたみ、顔を洗いに台所へ向かった
……誰もいないみたいだ
さっぱりさせるために顔を洗った
ふぅ、少しすっきりした
今日も稽古してる、よね
しかし稽古途中でお祝いするのもなぁ
決めた！
稽古が終わってから言おう！
まずは朝食を食べなくては
練習場で近藤さんを見つけ、あいさつをしてからご飯を食べることにした
ご飯はミツバさんが用意してくれたらしい
ミツバさんにお礼を言い、食べた
・・・ごちそうさまでしたっと
ちょうど食べ終わったところで近藤さんが話しかけてきた
「Aちゃんのことだから今日も何かしらするんだろう？ただあいつはちょっとくせがあるからなあ」
少し笑いながら近藤さんは言った
「バレてましたか。でも今回は言葉だけにしようかと」
毎回マネーを貰ってばかりだと悪いからね
「そうかそうか！それなら俺も安心だ」
これが、と言いながら手でお金のマークを作った
私はそれを見て、そうですねと言って笑った
「そうだ、お遣いをしてくれないか？総悟も一緒に行かせるか」
勝手に話進めちゃってるよこの人
まあでも気が利くよなあ
出かけてる時にお祝いしとけってことなんだろう
「はい、分かりました」
「おーい総悟ー！こっち来てくれー！」
声でかいな
隣にいる私は思わず近藤さんから少し離れた
失礼か、すみません
呼ばれた本人は稽古を中断し駆け足でこちら側へと向かってきた
「何ですか？」
問いかけてくる総悟君は年相応のあどけない表情をしている
可愛いなぁ
ま、その表情を向けているのは近藤さんにだけだけど
「ちょっとお遣いをしてきてくれ。Aちゃんもいるからな」
そう言った瞬間、先程までの表情とは打って変わって心底嫌そうな顔をした
そんなに嫌なのかい！
いいし！別にへこんでないし！
……はぁ
「えぇーーー！またですかー」
そんなに叫ばなくてもいいじゃんかよ
「……はぁ。近藤さんの頼みなら行きます」
総悟君は仕方なさそうに言った
おい、ため息聞こえたぞ
「いやぁ悪いな稽古中に。じゃあ総悟を頼んだ」
「はい」
私たちのやり取りを総悟君はボーッと眺めていた
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作者名：ナナリー | 作成日時：2015年5月30日 21時
