【NARUTO】鵯‐ヒヨドリ‐

＃17　場違イト染ミ ページ21

1-17[男side］

Aが口を開く。

「つまんないの」

零は動かない。
無表情だ。
指先をペロリと舐めたAは、一瞬寂しそうな顔をする。
ほんの一瞬、だが。

「キミ達なんてさ、素手で十分なんだよ？」

わ、笑って…る？

最後の男は直感した。
そして、再び出てきた月の光が照らし出したのは、間違いなく瓜車の口元に浮かんでいる場違いな笑みだった。

「ひっ、ひひひひひひ人殺しぃ!!!!」

「人殺し？あ、キミかぁー」

Aは振り向いた。
視線の先には五人目の男。
一歩、一歩、最後の相手に近いていく。

「な…ななっ、なん、なんなんだよぉっ」

Aが歩くところに指先から垂れる血が染みを作る。

「誰に頼まれたの？」

「だだだ…れ、た、頼ま…れてない」

男は上手く喋れていない。
頬には大量の冷や汗が垂れており、腰も抜けてしまったみたいだった。

「零、意味分かる？」

「誰にも頼まれてない」

「なる程♪で、本当は？」

「ほほ、ほほ本…とと当？」

「やっぱ、ボクこーゆうやつの喋り方ってヤダなぁ」

「？」

男が不思議そうな顔をした。

「じゃあ使えばいい」

瓜車は頷いて、瞼を閉じると静かに言った。


「万華鏡写輪眼」


日の出が始まった。

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