記録係7【アンナチュラル 】

いってらっしゃい ページ30

※オリジナル

出発の日。
空港でみんなお見送りする予定が
バタバタと解剖が入り
結果私すらも見送りに行けないことに。

そのため、家でさよなら。

中「A、行ってくる」

『いってらっしゃい。気をつけてね』

ニコニコと手を振ると
系さんの表情が変わる

『どしたの？』

中「今まで一緒にUDIに行ってたから
なかなか聞かない言葉だな…と」

『確かにそうだね。
いってらっしゃいなんて
なかなか言わないなー。』

一緒に「行ってきます」と部屋を
出ることはあるけど…

中「…良いもんだな」

『んふふ…確かにね』

中「お前も、仕事…気をつけて行けよ」

『はーい！頑張ってくるね！』

ちゅっと触れるだけのキスをして
出て行く系さん。

何度も何度も振り返って、手をあげる。
早く行きなさい…間に合わなくなるよ。
と、思いながらも、ずっと見送る私も私だ。

姿が見えなくなり
さて、UDIに向かわなくては…と
部屋に戻ると…

『あー！！！！系さん
スマホ忘れてる！！！』

机の上にスマホが。

『あー…どーすんの…』

とりあえず神倉さんに連絡をしなくては。
バイクにまたがり、
ハンズフリーのイヤホンを耳に入れる。

走りながら神倉さんに経緯を話すと

神「まったく！中堂さんは！！
この忙しい時になにしてるんですか！」

『うううう…すみません…
私が確認しなかったから…』

神「Aちゃんが謝る事じゃありません！
いい大人が！大事な連絡手段を！
忘れるなんて！！！！」

『なるべくすぐUDIに行くんで…』

さっきのいってらっしゃいは
なんだったんだ。
結局また会うんじゃないか。
神倉さんに何度も謝りながら空港に向かった。

_____

空港

『まだ時間は間に合うはず。』

しかしこの広い空港内。
自分で探せるはずもなく
係の人に頼んで呼び出しをしてもらうことに。

『あ！いた！』

数分待てば走ってくる系さん。

中「A…なんでここに。」

ギョッとした顔で私を見る

『忘れ物。』

ずいっとスマホを見せるとギョッとする。

中「…すまん。」

『とびっきりのお土産よろしく。』

中「…わかった…」

『UDIのみんなにもだよ！
このクソ忙しい日に！！！』

中「…分かってる…」

しゅん。と項垂れる系さん。
ごめん、かわいい。

『ほら！そろそろ時間！
…いってらっしゃい！』

中「ああ…行ってくる」

そう言ってまたキスをして急いで搭乗口へ。
周りの係の人がどこを見ればいいのかと
焦っているのに気がつくのは数秒後。

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