記録係5【アンナチュラル 】

取引き ページ30

※オリジナル


『…やられた』

中「クソっ！どう帰れってんだ！」

車を置いた場所まで
とにかくお互い無言で走れば
木林さんの車がない。

『…用事ができたとか…』

中「だったら、一声かけるだろ！」

スマホで木林さんに連絡する系さん。
数コール待ったあと、

中「おいっ！置いてってどういうつもりだ！」

と、声を荒げる系さん。
さすがに、家からは遠いので
迎えに来て欲しい。
…というか、この時点で気づくべきだった。
家と反対方向じゃないか。

中「……いい、タクシーで帰る」

さっきの威勢はどこへやら。
しゅんとなった系さんは電話を切り
タクシー会社へ電話をした。

中「数分待ってりゃ、来るだろ」

『何？どしたの？』

中「……急用だと。」

『ほんとに急用だったんだ！
それは、失礼な事考えちゃった！』

中「…この状況じゃしょうがねえ。」

そう言って、系さんは
ちらりとスマホを見て笑った。

________
木林さん視点。

電話がかかってきてたのは
ほんとなんですよ？

「いつお戻りになりますか？」
という、電話を何度もかけてくる方が
悪いんです。大した用事でも
無かったですしね。

お二人を呼びに行けば
とても良い雰囲気だったので
置いてってしまいました。
やっとくっつきましたねえ。

すると、またスマホが震える。
中堂という文字。
もっとAさんとゆっくり
していればいいものを…

木「はーい、木林。」

中「おいっ！置いてってどういうつもりだっ！」

木「すみません。急用で。
…先程、堤防に乗って
楽しそうに歩くAさんを
写真で撮ったので
そちらをお送りします。
…これでどうでしょう？」

すると、中堂さんたちは
タクシーで帰るとの事。
Aさんのことになると
ほんとに甘くなる。

さて、私は会社に戻ることにしましょう。

おばけ→←わあ

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