記録係5【アンナチュラル 】

おばけ ページ31

※オリジナル

今日は日曜。
あれから日曜だけは
一緒に寝ると約束している。

今日も目が覚めると
目の前には系さんの大きな背中。

ぎゅっと抱きつこうとすると
私のスマホが鳴る。
…待って。この着信音は。

布団からばっ！と出ると
「なんだ…朝から…」と
もぞもぞする系さんを横目にスマホの
画面を覗く。

『…系さん。』

中「…どうした、A」

明らかにおかしい私を見て
起き上がる系さんに
スマホの画面を見せると
やっと目が覚めた様子。

この着信音は
大好きな大好きな…

『お姉ちゃん…？』

中「…そんなバカなっ！」

スマホの画面にで出るのは
「着信 お姉ちゃん」の文字。

『とりあえず…あの！出るべきなの！？』

中「やめとけ…いたずらだ。」

『そんな…誰がどうやって！』

お姉ちゃんの私物は
高瀬に燃やされてしまった。
スマホだって、バックの中だ。

中「…とりあえず、父親に連絡したらどうだ」

『そうだね！えっと…スマホスマホ』

中「A、落ち着け。
スマホは今お前が持ってるだろ」

そう言って、系さんは小さく笑い
ポンと私の頭に手を置く。
…そうだった…落ち着け私。

数分着信音が鳴った後
プツリと切れてしまった。
なんか、罪悪感。

とりあえず、お父さんに連絡をしてみる。

『あ、お父さん…？Aだよ！
…あの、今ちょっといい？』

父「どうした？嬉しいなー、Aから
連絡してくれるなんて！」

嬉しそうなお父さんの声を聞いて
申し訳なくなる。
ごめん、お父さん…いい知らせではないよ。

『お父さん…お姉ちゃんのスマホって
持ってたりする？』

父「夕希子の？…あったら欲しいねえ。
持ち物は犯人が全て持ち去ったと
私は聞いているが…違うのかい？」

『今ね…お姉ちゃんから電話があったの…』

数秒沈黙の後、

父「…そんな…夕希子の
スマホが残ってるなんて…」

『私も、系さんも信じられないけど
目の前で見たのっ…！』

父「…中堂さんと一緒なのかい？
…それに、名前呼びだなんて
数週間で、どれだけ仲良くなったんだ…」

『今はそこじゃなーいっ！』

父「そうだった…すまん。
…驚いてしまってね…。

…とりあえず、
警察に連絡すべきじゃないかい？
逆探知もしてもらえるかもしれないし。」


『そうだね、わかった。
ありがとう…！』

毛利さんに連絡してみよう。

父「次の連絡は嬉しいニュースだと
いいなあ。」

そう言って、お父さんは電話を切った。

反省→←取引き

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す