ノスタルジーの窓辺【赤】【黄】

眩しさに包まれて ページ4

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＿＿＿＿＿＿4年前





夢主 side




ガタンッ




「おまっ…！急に暴れんなよ！！」





『莉犬〜！もっと速く…！』





「誰のせいでこんなにスピード出してると思ってんだよ！！」






『えー？しらなーい』






「放り投げるぞ」



『ごめんなさい、私です』




このテンポのいい会話が好き。


君の自転車の後ろに乗せてもらうのが好き。


時々香る優しい君の匂いが好き。









『ねぇ〜』



「ん？なに」



『先輩、卒業しちゃうね』




「おま、」



『寂しいよね？』




「……まだ4月になったばかりだし。そんな深く考えてないよ」




『どーだか』







べーっと反抗的に前を見ている彼に舌を出す。

嘘つき、本当はすごく寂しいくせに。

卒業してほしくないくせに。

知ってるんだからね、先輩のこと大好きなんでしょ。









「っよし！走るぞ！」




『うん…！』




「よーいドンっ！」



その背中をいつまで追いかけていられるのか。

私が彼の心を掴む日がくるのだろうか。



分からないから悔しい。

何もできないから余計に悔しい。









"桜が散って"いる。



この"制服"も馴染んだな。



見慣れた"道(ロード)"を君と一緒に歩くのはあと何回かな。


あ、HRの開始の"鐘(ding)"がなった。




彼に追いつこうとより速く走る。

"よーいドン"だからね。









「Aー！赤石ー！廊下は走るな！」







「やっべ」



『すいませーん！』




注意されても尚、スピードは落とすことなく走り続ける。





"怒られちゃった"ね。

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