【マギ】サヨナラが愛の言葉【練 白雄】

20剣　 ページ22

昔、私のお母さんも私をこうやって、抱き締めてくれたっけ…




嬉しくて思い出せないや…。涙が、ぶわっと出てきた。



A「うぅっ″分かってま″すよぉ〜!!」



私は鼻水を垂らし、声をあげながら泣く。



そよそよと心地よい風が吹くとともに、




ふんわりと香る花と玉艶様のお香のにおい。




玉「なら、泣かないの。自分の気持ちに、素直になればいいと思うの」



素直…自分の…私自身の気持ちに…。





今まで、私、素直じゃなかったのかな??






白雄様と一緒に居て、楽しくて、だけど、悲しくて…。






これからは、そんなこと考えずに、





幸せって、白雄様の隣で笑っていたい。







私は涙をごしごしと拭き、




両頬を自分で”パチン”と叩いた。






ヒリヒリしていたい。玉艶様は目を丸くして驚いている。




A「私、分かりました。玉艶様、ありがとうございます!」





私はぶんぶんと頭を下げてお辞儀をした。





そんな様子をあはは…と苦笑いで見る玉艶様。




A「では、行ってまいります!!好きな人の所に!!」




私は失礼しました。と言って、玉艶様にきびすを返して、



走って彼の…




白雄様のもとに行こうとおもったら、






玉「A!!」


玉艶様が私を引きとめた。





私は?を浮かべながら、玉艶様を見る。







玉艶様はニコッと笑って




玉「笑顔。笑顔よ。笑顔を忘れずにね。頑張って」





私はその言葉に頷いて、



玉艶様に背を向け、駆け出した。






noside



玉「……笑いなさい、A」




1人のアルサーメン魔女がボソボソと呟いた。





玉「ソロモンめ…




余計なものをこちら側の世界に転送して…!!



でも、向こうの世界のAは半堕転しているはずよ…






今のAはどうなのかしら」




空の色が黒くなっている。


曇り空が出てきて、今にも雨が降りそうな空。





そんな空の下で、






1人の魔女が呟いた。






玉「…精一杯、今を楽しむ事ね。


笑ってられるのも今だけよ、




白雄、A…」








この時点で既に、歯車は狂いだしているのだ。


第一章「出会い」終了

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