【マギ】サヨナラが愛の言葉【練 白雄】

19剣 ページ21

A「……」




あれから数時間がたった。


今、私がいるのはお花がたくさん咲いている庭。





庭がいくつもあるからね、この宮廷には。



A「…はぁ…」



それにしても、何で私、白雄様に冷たくしてしまったのか…。





最近、自分の気持ちが

自分でも分からない。



?「あら…Aじゃないの」



草花を眺めながらそんな事を考えていたら、




A「はぁ…玉艶様」




後ろに玉艶様…白雄様の実母がいた。




玉「あらら、ためなんてついてどうしたの?」



A「……」




私はただ無言で、草花を眺めた。



いえないよ…あんたの息子のせいとか。





玉「貴女に…しかめっ面は似合わないわよ」



今の状態は、玉艶様に





両頬をグイッっと引っ張られている。






A「いたいです…」


私は離してくれと言わんばかりに、目で玉艶様に訴える。




玉「貴女には、笑顔が似合うわよ。笑いなさい」





玉艶様が微笑みながら私の頭をなでる。心地いい…




何だか、玉艶様と一緒にいると、安心できるなぁ…。




自然と私の頬が緩んで、






なんだか、この人といると優しい気持ちになれる…。






A「はい…」





なんだか、私のお母さんみたい。





玉「で…どうしたのかしら?」



A「あ〜…」



私は言うべきか言わないほうがいいのか…迷った。






けど、






A「私、自分の気持ちが分からない……」


思い切って言ってみた。






玉「それはどういうこと?」



A「私……好きな人、いるんです。だけど、その人に冷たい態度をとってしまう…。


どうしたらいいのか、私、分からないんです」



私は拳をぎゅっと握りながら俯いた。もう、どうしたらいいのか…





A「わかんないよ…」




目からポロポロと出てくる涙。




そんな私の気持ちも知らず、草花はそよそよと元気…。




今の私と正反対だな。




玉「泣いてはダメですよ…」





ふわっと高貴な香り。すこしからだがあたたかくなる。





玉艶様が私を抱き締めている…

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