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そう言って今度は
私の手を部長の腕につかませた


「俺に体重預けて?
すぐタクシー捕まえてあげるから」


そう言ってゆっくり歩き出した

エレベーターで下り
表通りを部長の腕を借りて歩く

足の痛みもだけれど
酔いが少し回ってきているのも確かだった

帰ったら、ゆっくりお風呂に入ろう

通りを出て
タクシーを停めるために道路側に立つ

私はゆっくり空を見上げる

街路樹の間から、
見える夜空は、

ビルに囲まれていた
ただ、わかるのは朝のようなどんよりとした雲は
完全に消えてたってこと


部長が、もう片方の手の腕時計を確認する


「すいません、遅くなりますね、
私は大丈夫ですので、部長どうぞお先に」


「あはは、そういう訳にはいかないでしょ
部下をこんなとこに掘っていくわけにはいかない
それに・・」


「それに?」


「意外とまだ早いんだなって」

そう言って私に腕時計を見せた


部長の黒い時計は
おそらくどこかのいい時計なんだろうな
詳しくない私でも、
その品の良さから、いい時計だということは
わかる

その時計は、
まだ、9時を指してなく

「え?」

思わず声に出して言ってしまう

「な、ビックリしただろ?」


緊張していたのか
もっと時間がたっているかのように思えた


「あ・・・」

そう言った部長がその手を上げる


すると、黒いタクシーが
少し離れたところからハザードを点灯し
私たちの前に
ゆっくり止まった


その途端、
うん…私はきっと酔ってるんだ

とてつもないくらい寂しくなり

思わず、キュっと借りていた部長の腕に力を入れてしまった


すると、部長は何も言わず
私をチラっと見て
微笑む

そして、軽く頭を撫で

ゆっくりと、組ませてもらっていた
手を放させる

私は、うつむいたままだった


そして
開いたタクシーの扉の中に
私を先に乗せ


そして、部長自身も乗る

え?

少し驚いた私をよそに


「あー、ごめんなさい
すぐ近くなんですけど
パレロワイヤルホテルまで、
地下のエントランスまでお願いします」

と運転手に告げた


私は無言のまま
膝の上で両手を重ね
うつむいた


え・・・

今、部長なんて言った?


酔った頭の中で
一生懸命考える

すると
その重ねた両手の左側の手を
部長が私の顔を見ずに
取った


心臓の音が、
部長まで聞こえてしまうのでないかというくらい
高鳴る

私は、ゆっくり
窓の外を見た

大通りをたくさんの車が同じ方向を向いていた

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設定タグ: , 二宮和也 , 櫻井翔   
作品ジャンル:恋愛
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紫姫(プロフ) - ミーさん» ミーさんすいません、しばらくこちらに来てない間に、どなたかによって使用不可になってしまっていました。現在、本部に相談してますので、しばらくお待ちいただけたらと思います。 (2020年11月9日 22時) (レス) id: 126fa04e95 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 続きが読めません…。 (2020年9月30日 0時) (レス) id: e62317eefb (このIDを非表示/違反報告)
yashuchar1031(プロフ) - だって、紫姫サンは褒めるところしか見つからないですもん(o´罒`o) (2020年8月25日 13時) (レス) id: 4cc73d8fe3 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - すりおろし梨。さん» はい・・・今回はマウント取りましたw真面目に書いてたら、星伸びないし、「つまんない」って言われたので、だったらここに合う作品を書いてみましょってなわけで書き始めたのですが、結局2章では私の癖がさく裂してますw無理ですねw (2020年8月22日 18時) (レス) id: 126fa04e95 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - yashuchar1031さん» やった♪褒められた〜、私、やればできる子なの〜ってwwwいつもありがとう (2020年8月22日 18時) (レス) id: 126fa04e95 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫姫 | 作成日時:2020年7月3日 0時

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