追想-TUISOU-１０ Secretな彼女番外編 (ページ17)

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「よくないよ・・それでも、俺らはずっと会ってたし」

「翔？やめて、ほんと・・・もうさ・・・」

お互い黙ってしまう

外の風の音が以上に大きく聞こえる

握ってる手からソッと抜けようとするのを
俺はそれを阻止する

「いや俺は、終わらせない・・・
リンがどう言おうと絶対終わらせない
それを伝えに、今日、わざわざ、ここまで来たんだから」

「翔・・・あのね・・・」

俺を見るその目は
明らかに呆れている

「無理」

「無理って・・・子供じゃないんだから」

「俺わかったんだよ、
リンじゃないとダメだって
俺さ、彼女に言われるまで気が付かなくて」

「てか、気が付けよ自分で」

「え？」

リンが俺を見た

それはリンらしい
いつものジョークだったけれど
俺が真面目な顔をしているものだからすぐさま

「嘘、ごめん
続けて」

「は・・・あ、うん」

「いや、その」

「何？」

それは少し
苛立ったように聞こえたけれど

「彼女と一緒にいて
つきあって、生活していくうちに
仕事忙しくて
すれ違ったとばかり思っていたんだけど
でも
物理的なすれ違いじゃなくて、
そもそも、
俺の心がそこにないっって
私を通して、誰を見てるのって・・・
言われて」

「はぁ、彼女さんお気の毒
というか、たぶん、今、彼女と共感できそう
翔ってさ、普段は気持ちや考えを伝えることできるのに、
こういう時はほんとはっきり言わないよね」

「そうね
うん、そこは否定しねぇわ」

「否定しろよ、そこは」

そう言って笑った

「はぁ・・で、話戻すけど
結局彼女とは別れた」

「え、別れたんだ」

目を見開いたリン

「そう
あと正直に言うと、
それから特定の彼女は作らず」

「不特定多数の女性と遊びまくって？」

「それは言葉に五平あるけど・・・
まぁ、正直に言うと、その、まあ、そう言ういう訳で」

なんだこれ・・・

俺の前で大きく息を吐いたリン

「翔、でもそれって、
私もその一人だと思うんだけど」

「え？」

「私もその一人だよ、その不特定多数の子」

「違うよ、それは」

俺は少し声を荒げた

でもリンは悲しそうな眼をしたままで静かに

「一緒だよ・・・」

とつぶやいた

「違うって、
リンは他の女とは違うんだって」