追想-TUISOU-１０ Secretな彼女番外編 (ページ19)

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「って待てよ、
じゃあ、卒業するころには、
俺と別れようってすでに思ってたってたってこと？」

「違う違う、
その時は全然思いもしなかった
だから、
日本国内での遠距離恋愛を挑戦してみた・・・
もし、うまくいけば、
これが、フランスになっても大丈夫かなって」

「・・・」

「その時は、軽く考えてたの、本当」

「・・・」

「でも、違った、私無理だった、
限られた時間、会っても身体だけの関係になってしまって
それでも付き合ってるというしばりが、
私には、だんだん苦しくなっちゃった」

「それは俺、ごめん、
そんなつもり全然無かった
言い訳じゃないけど、そのために会ってたわけじゃないし」

「別に翔を責めてるわけじゃないの
私が、耐えれなくなっただけ
だったら、いっそのこと、
友達で付き合ってる方が、
恋愛感情を持たない方が、楽かもしれないって思たんだって」

「・・・」

「辛かったの
翔が、彼女と住んでるって聞いたとき、
私なんで、素直じゃないんだろうって
だから必死にそれを堪えるために
すぐに気持ちを切り替えた、
私の夢は、
ここボルドーにあるんだからって・・・
そこからの3年間は、
翔とは、友達として付き合うって決めて、
この３年私は、何度もここに足を運んだの」

あの日から３年
俺の知らないところで
リンは別の道を見つけていたんだ

俺は黙ったままだった

バチバチと
雨だけでなく窓の外にある木の枝がはげしく
窓に打ち付けている

それはまるで、
今の俺の気持ちを表しているかのようだった

「・・・」

俺の知らないところで
リンは、一人歩いてた

それが俺には、一番ショックだった

「どうして、俺には何も言ってくれなかったの？」

・・・

・・・

「それは・・・さっきも言ったけど」

そう言って、
口をつぐんだリン

「ここまで言っておいて、
今更黙る必要はねぇだろ？」

「この土地をに初めて訪れた時は、
私は、まだ翔との未来が見えてた・・・」

「んだよ、それって俺との未来は見えなくなったってこと？」

「・・そう」

激しく打ち付ける雨が
俺の心をさらにかき乱した

「俺は、リン、一緒に未来を見たい
これから先、ずっと」

「無理・・・」

「リンが結婚を望むなら
俺は、そうしてもかまわない」

俺はリンの顔をまっすぐに見た