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時間にして10分ほどだろうか
『pontedera casciana terme』
という駅に到着する
俺らは、そこでいったん降りることにした
「termeって書いてあるから、温泉街なのかなぁ？」
そういって駅を見渡すもそれらしき風貌はない
降りてみたものの、これが正解なのかすらわからなかった
それくらい、ひっそりとした駅だったのだ
ひとまず、俺らは引き返すために、
駅員にきいてみることにする
2月の夜、気温はだいぶ低くなってきている
俺らは人気の少ないホームを歩き
改札口に行くと、そこには日本と同じような駅員室があり、
そこで暖を取っている駅員たちが数人いた
もちろん、イタリア語は話せないので
英語とジェスチャーに頼ってしまうんだけれど、
観光地近くの駅でもあるので、
そこは心得ているようだった
おそらく、この人気のない駅で余計不安になっているのだろう
リンに俺は
「大丈夫だよ、すぐに引き返せるから」
と言ってみたけれど、
それはものの見事に
あっけなく覆されてしまう、
お互い片言の英語、
でも
駅員が伝えたことは、
俺らでも十分に理解ができた
「どうする・・・翔」
俺の顔を見たリン
駅員が俺らに告げたのあは。、
ローマ方向に向かう電車は、
今から2時間後に来るらしい
2時間・・・それだけでも驚いたのに
ピサで乗り換えないと、ローマまではたどりつけず
今からだと
ピサから、ローマまでの特急の最終便に、間に合わないということだ
そして、俺らはとんでもないミスを犯していて
この途中の小さな駅で引き返すより、
いっそのことフィレンチェまで戻れば、
ローマ行きの新幹線のように早い直行の超特急に、乗ることができたのだという・・・
「嘘だろ・・・？」
俺は、自分のもってなさに愕然とした。
そして、俺らに、残された選択肢は、２つ、
今日は、このままここであきらめるか、
それとも、
ここから、隣の駅、ピサまで、
タクシーをかっ飛ばしてもらい、
最終のローマ行きの最終列車に乗るかだった
ただし、ローマに着くころは、日付が変わる手前だという
「どうする？リン？」
「俺はリンに聞いた」
リンは
「翔は、どうしたい？」
「え？」
「だって、私たちが、残ってる時間は、
明日、ローマ1日観光して、
翌日には、
翔は、必ず飛行機に乗らなきゃいけないんだよ
ローマ、ほとんど観光しない状態で、帰国することになる・・・」
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紫姫(プロフ) - すりおろし梨。さん» 翔くんのお母さんって、母でありながら、何かを諭す時だけ息子を他人のように客観的角度から話してるように感じて、それが私情を挟まず的確に伝えていて参考にしたいなと思ってます、特にわが家のモモっ (2020年1月18日 11時) (
レス) id: 798db29bb2 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - ＊さくら＊さん» 入学式からの４年書き綴ってみましたw間違ってません、どうかそのまま納得してニヤケてくださいw (2020年1月18日 11時) (レス) id: 798db29bb2 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - すりおろし梨。さん» 実際リアルで私はそう思います。彼からよく当時の話が出るのは、充実して輝いていたんじゃないかなって (2020年1月18日 11時) (レス) id: 798db29bb2 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 人柄バロメーター。なるほど。確かに。翔くん母の話は凄く好きです。なんならお会いして子育て講座とか聞きたい。 (2020年1月18日 6時) (レス) id: 726034c2a9 (このIDを非表示/違反報告)
＊さくら＊(プロフ) - 読むたびに、ああ、昔はこんな感じだったんだろうなぁと、間違った納得をしてニヤケたり、応援したりしてます。お忙しい時期なんでしょうが、どうかちゃんと休んでくださいね。 (2020年1月18日 1時) (レス) id: 77b96f2b94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2019年12月18日 22時
