EP:38 ページ3
あの夜が明けた翌日の事だった。
風呂に入って体を温め、ホットココアを飲んでベッドに横たわるもAは眠れず、空が白んで東の星が橙色に溶け始めても目がぱっちりと開いたままだった。
数えて100回程度の寝返りを打つと、Aの部屋のドアがコンコン、と叩かれた。
「A...。起きてる?」
リリーだった。Aが時計に目を走らせると、いつも彼女が起こしに来る時間になっていたのが分かった。寝付けなかったのは事実だが、始業時間が変わってくれる訳では無い。
「ごめん、今から準備するね」
「ええ、無理しないで...。」
机に目を遣ると、黒い革の日記帳が朝陽を重く反射していた。
あの後リドルの幻影は日記帳に姿を消し、Aはどっと疲れてそれを浮遊魔法で持ち上げたまま寮に持ち帰ったのだが、リリーには結局何も話せていなく、重いものが胸の底に渦を巻いていた。
ずっと日記を見ていると脳裏にあの顔がにやりと嫌な笑みを浮かべているのが浮かぶ。
Aはそれを振り払うように頭を振り、身支度を始めた。
何だか体が重い。睡眠を取れなかったせいだろうか。
「A、寝付けなかったの？」リリーが心配そうにAを見つめながら、皿にシェパーズパイを切り分けた物を乗せた。
「体は疲れているんだけど、なんだか目が覚めちゃって」
「ほお、いつも授業にうとうとしているクロタニがな。だから今日は珍しく晴れているのか」
通常通りのセブルスの嫌味が炸裂し、リリーは怒ったように腰に手をやった。
「セブ！Aは昨日色々あって疲れているのよ。だからそういう事は言っちゃダメ。」
「そう言われても僕は昨日何があったか聞かされていない。せめて僕やレギュラスには詳らかにするべきでは無いか?」
セブルスはAに強い目線を向けた。リリーは勢いを失い、「確かに私も何も聞かされていないわ」と呟く。Aはマフリアートを掛けてからリリーとセブルスに小さい声で話し始めた。
話し終わった後、リリーもセブルスもしばらく絶句していたが、セブルスは我に返ったように身を乗り出しながら言った。
「待て、その日記帳を僕に見せろ」
Aは狼狽えたが、構わずセブルスは話し続ける。「若しかしたら...。いや、取り敢えず僕に見せてくれ」
類にも見ないセブルスの勢いに、今夜空き教室を使って緊急の集会を開くこととなった。
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玲 - 今まで読んできたハリポタの夢小説の中で一番好きなシリーズです！トムの言っていたこと、リリー達との関係、恋の行方、気になります！更新待ってます！ (2019年10月12日 19時) (
レス) id: f52c9519cd (このIDを非表示/違反報告)
Ice(プロフ) - 続きが気になっています！リリーのキャラが最高です！笑笑更新楽しみに待ってます頑張ってください！！ (2018年8月8日 0時) (レス) id: 3d9ee1beab (このIDを非表示/違反報告)
チョコ大好き - 自分はジェームズ大好きなので、この小説が好きなのでぜひ、更新を頑張っていただけると嬉しいのでよろしくお願いします！ (2018年4月14日 22時) (レス) id: f52867736d (このIDを非表示/違反報告)
白猫♪(プロフ) - リリーのキャラが大好きすぎます(≧∀≦) 話の続きがとっても気になる面白い作品を見つけられて、続きが更新されるのをわくわくしてます！更新頑張って下さい！ (2017年11月20日 13時) (レス) id: 44840d8a16 (このIDを非表示/違反報告)
れいか - ジェームズ落ちの夢小説が少ないので見つけた時喜びました！でも『終わり』となっているのですがもう更新はされないのでしょうか？ (2017年5月30日 15時) (レス) id: e6a8be6c9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽毬 | 作成日時：2016年4月4日 1時
