EP:37 ページ2
「僕はトム・リドル。後のヴォルデモートさ。＿君は、知っているはずだけど」
半透明の体が少しずつ躙り寄って来、Aは対照的に、ローブのホルダーに差してある杖を握り少しずつ後ずさった。
頭の中では赤い警告ランプが点滅している。＿＿このままでは危険だ！＿
「そう睨まなくても良いじゃないか。君に危害を与えるつもりはないよ」
「何でそう言い切れるの..？」
両手を上げて胡散臭い笑顔を浮かべるリドルをAは精一杯睨みつけた。だが、彼はまるで怖くないとでも言いたげに両手を下ろし、冷たい笑みを浮かべた。ふわりと宙から体を下ろし、不思議な事にローファーの音を鳴らしながら今度こそAに歩み寄ってきた。
緋色の瞳の奥底を覗いても、底無し沼のようなものが広がっているだけで感情を読み取ることができない。血のような赤で染まった舌を出すと、少しかさついた唇を湿らせた。
「それはね」
どくん、どくん。
Aの心臓が緊張に早鐘を打つ。
2人の距離は10cm、5cmと縮まり＿＿
ついに、リドルがAを両腕の中に閉じ込めた。
「離して！」振り離そうと胸を有りっ丈の力で押そうとするも、リドルは抱きすくめてきた。
そのまま、耳に唇を近づけ＿＿低く冷たい声で囁いた。
「..君をこの世界に呼んだのは、他でもない＿＿
この僕だからだ」
それは、遠い昔に行われた残酷な受胎宣告のようにも聞こえた。
必死に抵抗していたはずの腕の力が抜け、力なくだらりと垂れる。体の芯からすうっと冷たくなる感覚が訪れた。
「...何で呼んだの？」
(どうして私なの？)
Aは混乱が頭を渦巻く中、何とかそれだけを口にした。リドルは間をおかずに即答する。
「まだ教えられないよ」
「いつになったら教えられるの？」
「君が、秘密の部屋に来た時にしよう。」
まるで恋人にするように甘く囁き、リドルはさも名残惜しいように体を離した。まだ張り付くような笑みを浮かべている。
「そうだ。一つ言っておこう、僕は全て知っている。君をずっと見ていたからね」
「前の世界に居る時から」
「ずっと、ね」
リドルはそうとだけ残すと、次第に薄くなっていき、ついに目に見えなくなった。
「...んん。..私なんで寝てるのかしら」
魔法が解かれ、起き上がったリリーは数m先に落ちている黒の古びた日記を見て、顔をパッと輝かせた。
「A、あれじゃない！？..A？」
＿＿＿全てに繋がる一つの謎が紐解かれた。
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玲 - 今まで読んできたハリポタの夢小説の中で一番好きなシリーズです！トムの言っていたこと、リリー達との関係、恋の行方、気になります！更新待ってます！ (2019年10月12日 19時) (
レス) id: f52c9519cd (このIDを非表示/違反報告)
Ice(プロフ) - 続きが気になっています！リリーのキャラが最高です！笑笑更新楽しみに待ってます頑張ってください！！ (2018年8月8日 0時) (レス) id: 3d9ee1beab (このIDを非表示/違反報告)
チョコ大好き - 自分はジェームズ大好きなので、この小説が好きなのでぜひ、更新を頑張っていただけると嬉しいのでよろしくお願いします！ (2018年4月14日 22時) (レス) id: f52867736d (このIDを非表示/違反報告)
白猫♪(プロフ) - リリーのキャラが大好きすぎます(≧∀≦) 話の続きがとっても気になる面白い作品を見つけられて、続きが更新されるのをわくわくしてます！更新頑張って下さい！ (2017年11月20日 13時) (レス) id: 44840d8a16 (このIDを非表示/違反報告)
れいか - ジェームズ落ちの夢小説が少ないので見つけた時喜びました！でも『終わり』となっているのですがもう更新はされないのでしょうか？ (2017年5月30日 15時) (レス) id: e6a8be6c9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽毬 | 作成日時：2016年4月4日 1時
