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背筋の凍る一時 ページ47

おはなし(・・・・)は、ヴェルザードさんの一言から始まった。

ヴェルザード「敬語は外して結構よ、A」

怖いなあ……何考えてるのか全く読めない笑顔で。

『あ、そうですか? じゃあお言葉に甘えて……』

くれぐれも機嫌を損ねないように、なるべく言うことを聞く感じで……。

ヴェルザード「それで、予言ができるのでしょう? 十年以内に起こることを何か教えて頂戴」

意外と早い段階で聞かれたな。

そんなに範囲が大きいなら考えやすいけど、何を言うべきだろう……。

『うーん……十年以内なら、なんでも?』

時間稼ぎも込みで、一応確認を取ってみる。

ヴェルザード「ええ、いいわ」

いつの間にかギィまで笑顔で話を聞く姿勢だし、今更引っ込めない……。

『──魔王ギィが興味を持つ存在が生まれます』

思わず敬語に戻っちゃったな、とヒヤヒヤしていると、間髪入れずに言葉を返してきた。

ヴェルザード「その言い方、もっと詳しく知っているんでしょう?」
『う……魔王レオンも面白いと思うんじゃ、ないかなあ?』
ヴェルザード「うふふ、変な事言うわね。しかも疑問形で」

もう本当に鋭すぎて、愛想笑いでごまかす。

ヴェルザード「ところで、予言は能力(スキル)の力なの?」

どうにか諦めてくれたらしいと思って、私は咄嗟に返した。

『え? あ、そう! そうだよ!』

返してしまった。

《解。嘘だとバレている確率──百パーセント》

うわあああ!!

迂闊に変なこと言ったらむしろ追い詰められる!

ギィ「なあるほど、能力(スキル)だったのか」

世紀の大傑作を見たかのような笑みを浮かべて、私に向かっていうギィ。

分かってて言ってらっしゃるようだけど、否定もできない。

これ以上話してたら確実に更にボロを出すに違いない。

なんとも言えない、全員が笑顔で黙っている空間。

気まずさと焦りから、祈りにも似た気持ちで私は思う。

早くレオン来てくれないかな……!

そんな気持ちが天に届いたのか──存外すぐに到着したらしい。

ミザリー「魔王レオン・クロムウェル様が到着いたしました!」

高らかに告げられた到着の報(すくいのて)によって、私含めた三人の会話は終わりを告げたのだった。

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くろわっ(プロフ) - AIさん» いつもご愛読ありがとうございます!とても嬉しいです!もう3に行きそうですが、これからも宜しくお願いします! (2020年8月16日 14時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
AI(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます!これからも頑張って下さい! (2020年8月16日 14時) (レス) id: 70828d2268 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くろわっ | 作成日時:2020年7月9日 16時

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