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9 あの日4 ページ11

私たちは急いで走り門まで駆ける。しかし子供の足だし私は片腕に小さい子を抱えている。

あまり走れない。でも絶対に置いていかない。置いていくものか。


しかし。


「あっ……!」


腕が後ろに引っ張られ私は尻もちをついた。何が起きたか後ろを見やると妹が倒れていた。

おそらくリズは躓いて転んでしまったのだろう。
早く起き上がらないと後ろを追ってきている巨人に食べられてしまう。


「リズ、リズ!立って!」
「Aお姉ちゃんもうだめだよ……怖くてもう走れない……」
「怖くてもいい!走るの!このままだと食べられるよ!死んじゃうんだよ!」
「ぐすっ、うぅ……」


リズが泣き出してしまう。すると抱えていたニックもつられてしまったのか泣き出してしまった。

「ごわ”い”よ”ぉ〜!ままぁ!ねぇねぇー!」
「ニック……!リズ!お願い立って!」
「う、うん……!」


なんとかリズは立ち上がろうとした。




が、もう遅かったのだ。

私たちに巨大な影がかかる。【それ】を見上げれば巨大な顔と、口。


「あ……いや……!」
「……ッリズ!立って!」



しかしもう手遅れなのだ。


巨人が私たちを食べようと手を伸ばした。その巨大な指は、手は、まず手前にいたリズを掴んだ。


リズはいとも容易く持ち上げられ、彼女の手は私の手からあっけなく離されてしまう。



「お姉ちゃん!お姉ちゃん!!いやぁ!助けてぇ!」

「リズ!リズゥゥ!!!」


そして私の妹は。

あっけなく、とても簡単に、赤子の手をひねるかのように。




巨人に食われたのだ。

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星々まむみ(プロフ) - ポケットの案内人さん» アッッッありがとうございます!!(´;ω;`)面白いと言ってもらえるだなんてそんな(テレテレ)がんばります〜〜!ありがとうございます!! (2021年3月30日 0時) (レス) id: d7f30b4d2c (このIDを非表示/違反報告)
ポケットの案内人(プロフ) - らす今更ですがすみません…ベルトルトの小説を探していた時にこの小説を見つけて、とても面白い話だと思いました!!更新ゆっくりでいいので応援してます!主人公も可愛い!! (2021年3月30日 0時) (レス) id: edca7b102c (このIDを非表示/違反報告)
星々まむみ(プロフ) - この物語がどういう話なのか考察してもらいたいまむみです。毎話のタイトルで意味があるものと無いものがあって意味ある方どういうことか考えてもらいたいまむみです。かまちょなまむみです。まむみです。嘔吐してる夢主ちゃんが描きたいまむみです。 (2021年3月29日 22時) (レス) id: d3e660f4be (このIDを非表示/違反報告)
星々まむみ(プロフ) - 演鬼さん» ありがとうございます!!(´;ω;`)絵柄無理やり可愛くしました!!また何か投稿したいと思います!! (2021年3月28日 23時) (レス) id: d7f30b4d2c (このIDを非表示/違反報告)
演鬼(プロフ) - 星々まむみさん» ぎゃああああ最新話の有り余る画力にびっくりしてつい更に返信を!!!絵柄も好きです!!(錯乱) (2021年3月28日 18時) (レス) id: 7689ca9d8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星々まむみ | 作成日時:2021年3月2日 2時

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