愛を考えてみて、それから伝える【黒尾生誕祭】 (ページ5)

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澄んだ青に輝く宝石を。ページ5

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「…俺の側にいてくれてありがとな。」

鉄朗と目が合う。なんだか恥ずかしくて目を逸らすようにまた海を眺めると鉄朗は急に立ち上がった。

そして私の目の前に来ると小さな箱を差し出してそれをゆっくりと開けて、ニッと口角を上げたんだ。

そこにあったのは輝く銀色のリング。

まるで散りばめられた宝石と同じ煌めきで。

「俺とこれからもずっと一緒にいてくれ。」

「…なんで、」

今日は鉄朗の誕生日なのに、これじゃまるで私の誕生日みたいじゃない。なんて思ってながらも目から溢れた涙が頬を伝ってポタポタと落ちていく。

「お前が欲しい」

これからもずっと俺の側にいてほしい、誰よりも近くにいてほしい、鉄朗はそんな言葉を続ける。

8年も付き合ってきた大切な彼からのプロポーズ、答えはYES以外当然ないわけで、私も鉄朗しか考えられない。鉄朗以外の人なんてあり得ないから。

「よろしく…お願いします…っ」

鉄朗の体に抱きつく、と同時に止むことのないと思っていた雨がまるで奇跡のように止んで空を覆っていた雲が消えていく。隠れていた太陽が顔を出して海を照らすと海いっぱいに宝石が散りばめられる。

あの時と同じ海。澄んだ青ときらめく宝石達、あまりに眩しくて目を細めてしまうほどの輝き。

なんて、美しいのだろうか。