空白の時間 ページ13
Aside
空に浮かんだ三日月。
確かスライムさんが、じょうげんの月って言ってたかな。
肌を撫でる風は少し…冷たく感じる。
でも、耐性があるから本当にそう感じるだけ。
「……お腹、空いたな。」
何気なく呟いた言葉。
言葉にした途端、すごく…何かを食べたくなる。
『主人、先程魔物を召し上がったはずですが。』
「…そうなんだけど、お腹が空いたの。」
そういえば、前にもあったなこんなこと。
確か…
「ここにおったか。」
「ハクロウお爺さん。どうしたの？」
「いや何、リムル様が土産を持って帰ってこられているのじゃ。その土産をお主にも、とな。」
そう言って差し出された小さな箱。
嗅いだことない、甘い匂いがする。
「ありがとう。でも、どうして私にも？食べても味なんてしないのに。」
「…まぁ、食べてみなさい。」
そう言ってお爺さんは部屋に戻って行った。
見たことない形の箱。
どうやって開けるんだろう。
「ねえエンロク、どうやって開けるのかな。」
『私も見た事がない形ですので、わかりかねます。』
そのあと持ち上げたり、突っついたり押したりしたけど、箱は開かなかった。
「…くくく、お前たち何してるんだ？」
「…！ベ、ベニマル君？！」
な、なんで…全然来てくれなかったのに、なんで急に…！
「…仕事が忙しく…いや、これは言い訳だな。」
ベニマル君はそう言うと、私の方に歩いて来る。
え、まって…全然会えてなかったから何話していいのかわからないのに！
私が色々考えているうちに、ベニマル君は私の隣に腰を下ろした。
「…ひ、久しぶりね。」
「そうだな…前に会ったのはもう1年も前か。」
心臓が煩い。
「…来れなくてすまなかった。」
顔が熱い…。
「お前に会えないと、何をしても身にならなかった。」
視界がぼやける。
「休みが有れば睡眠に使っていたぐらいだ。」
涙が止まらない。
「…やっと、お前に「どうして…」…。」
「どうして、会いに来たの。」
胸が苦しい。
「私が会いに行けないから？それとも、私が嫌いになった？なら言ってくれればこの国から出て行ったのに…なんで何も言ってくれなかったの。」
今も、何も言ってくれないんだ。
もう…私のこと、嫌いなんだ…もうどうでもいい。
眠い。お腹空いた。
悲しい、苦しい、痛い。
「もう、休むね。」
ふらふらと立ち上がる。
なんだろ。心に穴が空いたような。
ああ、悲しいな。
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あたりめ(プロフ) - ビアンカさん» ぬやっ！ありがとうございます！更新がどんどん遅くなってきている気がするのですが、絶対完成させますので、気長にお待ち下さい。(o^冖^o) (2020年7月1日 22時) (
レス) id: a8549bdcf0 (このIDを非表示/違反報告)
ビアンカ - とっっっっても面白いです！頑張ってください！ (2020年7月1日 21時) (レス) id: 8342502802 (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ(プロフ) - スライムさん» ひぇ、ありがとうございます！そう言ってもらえるだけで、発狂しそうです。執筆頑張ります。亀更新ですが、気長にお待ち下さい(o^冖^o) (2020年5月15日 18時) (レス) id: a8549bdcf0 (このIDを非表示/違反報告)
スライム - 今日見始めたのですが、すごく面白いです！作者様のペースで構いません！完結してください！お願い致します(土下座)。 (2020年5月15日 17時) (レス) id: a72074cebf (このIDを非表示/違反報告)
舞京(プロフ) - あたりめさん» 待ってます！ (2020年4月19日 23時) (レス) id: 8bc37d8fd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あたりめ | 作成日時：2020年3月25日 11時
