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142話 ページ45

A「痛ぁー…」



水で濯ぐ度にじわじわと広がる血に、なんとも言えない感情になる



澤村「…本当にすまない」



そんな私を見て、澤村さんは深々と頭を下げた



A「え、もういいですよ!散々謝ってもらったじゃないですか!?」



水道に来るまで、澤村さんの口からは呪文のように謝罪をされていた



蛇口を捻って出しっぱなしの水を止める



澤村「ごめん…俺は、謝っても許されないことをしたんだ」


A「いや、大袈裟ですよ。スポーツする上で、思いがけないことが起きるのは当たり前ですし」



そうじゃないんだ、と小さく呟くと苦虫を噛み潰したような顔をした



澤村「ーーーあの時、何が起こったか分かってるか?」


A「いえ、全く!」



そうだよな、と顔を赤くして小声で話し始めた



澤村「俺の口と…Aの口が当たって……それで」



澤村さんの発言から推測するに、マウストゥーマウスしたということか



ん?口と口…?



A「事故チューということですか!?」


澤村「バッ…声が大きい!!」



大きな手で口を塞がれる


息が苦しくて、顔を少し振るとすぐに解放してくれた



澤村「……Aだって女の子だ。やっぱり、そういうの気にするだろ?」


A「そういうのとは!」



全く分かりません!隊長!!



質問し返すと、澤村さんは顔をさらに赤くした



澤村「事故とはいえ、好きでもない男と…キス……したんだぞ」


A「澤村さんのことは好きですよ?」


澤村「ーーーっ、そうじゃない!バカ!!」



バカ…まさか澤村さんにまで言われてしまうとは


軽くショックを受けてしまう



A「違うんですか!?」


澤村「違う!!」



そんなやり取りを続けているうちに、お互いぜぇはぁと息が上がってしまった



澤村「ーーーとりあえず、この話は保留だ。その方が互いの為になる」


A「まぁ、私はどちらでも構いませんが」


澤村「構うな!!」



最後に澤村さんの手刀が頭に落ちてきた



A「ーーえへへ」


澤村「何がおかしいんだ」



頭を小突かれて笑う私を見て、不思議そうに眉をひそめている



A「澤村さん、堅くて怖い人なのかなって思ってましたけど、優しくて面白い人ですね!」


澤村「……そんなこと言うの、お前くらいだ」



フッ、と笑い優しく頭を撫でてくれた



澤村「戻るぞ」


A「はい!」

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ミント - 来客が来た時には砂をかけるのが礼儀ってwww (2023年2月10日 21時) (レス) @page36 id: 85cc2908e9 (このIDを非表示/違反報告)
つーぼ - へっぽこリエーフwツボだわ (2020年8月14日 18時) (レス) id: f4d4b73c32 (このIDを非表示/違反報告)
猫ピース(プロフ) - 薊さん» ご指摘ありがとうございます。直させていただきます。 (2020年6月25日 12時) (レス) id: 5b1a54fd8f (このIDを非表示/違反報告)
- 127話で侑が治のこと呼ぶとこが、ツムになっていますよー (2020年6月21日 16時) (レス) id: c593b9094d (このIDを非表示/違反報告)
猫ピース(プロフ) - さなやさん» 少し縁下さんをかっこよく書いてみようと思考を凝らしました笑作品を好きと言っていただけてとても嬉しいです!Part4もよろしくお願いします!! (2020年2月15日 10時) (レス) id: 055642fb6d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猫ピース | 作成日時:2018年12月29日 7時

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