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Noside
「でねー、私の嫁が悪役伽羅を必殺技で倒して_」
「…着いたぞ」
メイトを出てからずっとアニメの事しか話していないAに、呆れた様に話し掛ける。
「え、もう着いたの?…今からの話が良い所だったの_めっちゃでかいやん!!」
「方言になってンぞ」
二人の前に建つのは_最近開店したばかりの最先端スウィーツショップ。
その店に堂々ときらびやかに飾られた看板が、周りを歩く人々の目を引く。
Aも同様、目を丸くして看板を見つめる。
「え、ちょ、此処…って確か…」
「行くぞ」
躊躇いもなく店に入ろうとする中也に、Aは慌てて止めようとする。
「え?そんな、無理だって!此処、確かもう三年先まで予約で一杯の筈だ_」
「良いから、来い」
「えぇ…」
何を云おうとも無駄だ、と判断したAは、渋々中也の後を付いて行く。
「(…ったく、どうして話を聞かないんだか。)」
一方、中也はレジで精算をしている店員に、おい、と話しかける。
「どう致されたましたか?お客様」
「此処の責任者を呼べ」
「え?」「…っは?」
Aと店員が同時に間抜けな声を出す。
「良いから、責任者を呼べっつッてんだろ」
「は、はい!少々お待ちください」
中也の鋭い眼光に一瞬肩を揺らし、店員は裏方へと走っていった。
直ぐに先程の店員と白髪混じりのダンディな男性が歩いてくる。
「お客様、御要件は__」
「中原だ」
中也の言葉を聞いた瞬間、責任者の男性は目を見開き
「…かしこまりました。どうぞ此方へ」
と、二人を別室へ案内した。
*・・*・・*
中也side
「ごゆっくりどうぞ」
「ほぁぁぁ…」
目を輝かせて、案内された別室_VIP室の内装を見るA。
その姿を見て、つい俺の口角が上がる。
「凄い!綺麗!ソファフカフカっ!!
中也ッ!!どうやってVIP室に通してもらえたの?
っあ!中也、若しかして此処の会社の社長のご子息とか!?」
興奮した様子で質問をするAに、俺は苦笑い気味で答える。
「落ち着けって…別に、そんなのじゃねェよ
唯、働いてる企業の社長のお気に入りの店でな…」
勿論嘘だ。
「中也の働いてる社長って、甘いもの好きな社長なんだね!」
表も裏も無い、素の笑顔で答えるA。
若し、俺が嘘をついているという事を知ってしまったら、Aはどう思うのだろうか。
_若し、俺が"ポートマフィアの幹部"という事を知ってしまったら、Aはどう思うのだろうか。
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氷華(プロフ) - 自分のペースでゆっくり書いて欲しいです(*´ー`*)これからも応援してます!! (2019年2月25日 22時) (レス) id: ed00fd4798 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレヰト - とても面白いので、ふっとネタが降りて来た時にでも書いてくれれば嬉しいです!別に、文がおかしくても構いません!間違えたら直せばいいんです!検討お願いします! (2019年2月17日 19時) (レス) id: 9bf0bfde55 (このIDを非表示/違反報告)
雨咲 水葉(プロフ) - 自分のペースでのんびりと書いてもらえればうれしいです。この作品の中好きだったので(半分ないよう覚えてないや。汗)とにかくこの作品、途中半端で終わらさずゆっくりでいいのでつづきお願いしますm(_ _)m (2019年2月11日 20時) (レス) id: c9fa56c96c (このIDを非表示/違反報告)
怜奈(プロフ) - 続きをオオオオオオオオーーーーーーー(///ω///)♪ (2018年5月6日 21時) (レス) id: 14ed024632 (このIDを非表示/違反報告)
雨傘響音(プロフ) - あれ…中也さん、夢主誘った本来の目的は…?(;´・ω・) (2018年4月7日 14時) (レス) id: f78f4d1bf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お布団@自宅警備隊No.7 | 作成日時:2017年6月19日 19時