二次元しか愛せない系少女、絶賛狙われ中です【文スト】

二次元しか愛せない系少女、実行 ページ25

八月七日、午前十一時＿

『敦君、準備は良いかい？』

イヤホン越しに太宰さんの声が聞こえる。

「はい、大丈夫です」

そう云い乍、周りを見渡す。

此処は或る横浜の貨物倉庫。
Aさんからの情報、証言を証拠に
乱歩さんに推理してもらった。

推理によると、この貨物倉庫を取り仕切っている組織が
Aさんの友人を捕らえているとの事。

『谷崎君は入口の見張りを

敦君は三つ目の扉の鍵を壊して、中に居る被害者を連れ出してくれ』


「「了解です」」

扉の近くにいる谷崎さんと目を合わせ頷く。

それが、僕達の合図。

合図が終わったと同時に谷崎さんは異能で自分の姿を隠し

僕は虎の異能で大きな貨物の間を駆け抜ける。


(建物に入って三つ目の扉…)

そうは云われたのだが、一向に建物が見えてこない。

其処までは遠くはない筈なのに。

疑問を持ち乍走り抜けていると、少しヒンヤリとした霧が出てきた。

『其方はどうだい？敦くん』

雑音が少し混じりながらも聞こえる太宰さんの声。

僕は一度足を止め、周りを見渡す。

「いえ…特に何もありませんが…

…ただ、霧が出てきたくらいです」

僕がそう応えると、イヤホン越しにでも分かるような緊張感が伝わってきた。

『敦くん！其処から急いで離れるんだ！

その霧は人工のものでわｻﾞｻﾞ…な…か…』

「太宰さん！？」

僕が云ったのと同時に、プツンと通信が切れた。

不思議に思い、もう一度周りを見渡していると霧の奥にキラッと何かが反射する光が見えた。

それと同時に、一発の銃声。

僕はその意味を瞬時に理解し、居た場所を直ぐに離れた。

元々＿厭、先程まで僕のいた場所にくっきりと銃弾の跡がある。

銃弾が合図かのように、沢山の銃弾が僕目掛け降り注いでくる。

幾ら脚が早いと云われる虎と云えども
この弾丸の雨全て避けることは出来っこない。

所々にかすり傷を作り乍も物陰に隠れて相手の様子を伺う。

此所からの角度から見える限りでは…武装した構成員らしき人が約二十人。

乱歩さんの推理では、今日は別の組織との会談で此処を開けていた筈。

何故？乱歩さんの推理が外れる訳が無い。

三日前、乱歩さんに推理してもらい、計画を立てた。
それからは乱歩さんと会ってはいない。
今度は近畿への出張とか。

…若し、相手の組織に予知や千里眼などの異能力者が居るのならば、僕達の行う計画方法や人選も分かってしまう。

その構成員が乱歩さんが推理した後日に加入したのなら＿辻褄が合う。

二次元しか愛せない系少女、悩み事→←感謝！！！！+予告編

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