二次元しか愛せない系少女、絶賛狙われ中です【文スト】

二次元しか愛せない系少女、悩み事 ページ26

同時刻＿ポートマフィア
中也side

「嗚呼クソッ！

如何すりゃいいンだよっ！！」

革張りの椅子にドスッと体を預ける。

幹部室でウロウロと立ち回り唸る事小一時間。
俺は首領から直々に受けた、ある命令(・・・・)について頭を抱えていた。

＊・・＊・・＊

(数時間前＿)

「暗殺、ですか？」

「そうなのだよ、中原くん」

首領は机の上にある、ペンを弄び乍そう云う。

「…如何やら傘下組織がマフィアの荷を横流しにしているそうなのだよ。

その主犯が若い子好きの政治家でね…

まぁ一応政治家だから、"ポートマフィアが殺した"という事が露見すると、非常に不味いと云う訳だよ」

首領から渡された資料に添付されていた写真を見ると、最近バライティーやニュース番組等でよく見かける顔であった。

「だから暗殺、という事なんですね」

「その通り

だが一つ問題点があってねぇ…

彼女の周りは常に強面のボディーガードが付き添っていて、そのガードマンが如何しても邪魔なのだよ」

黒服達を何人か向かせてみたが、全て失敗に終わってしまった、との事。

二枚目の資料を見てみると、其処にはその政治家に付き添う強面の男達の写真があった。

指に何年も射撃訓練を連続して行った時にできる痣がある事から、表側の人間では無い事が見て取れる。

「其処で、だ」

首領はニコニコと俺を見る。
何故か嫌な予感がする。

「この件を私から中原くん直々に依頼したいのだよ

出来るよね」

嫌な予感的中。余り気の乗らない仕事だが、首領の命令は絶対だ。

「はい。必ず、良い報せを持ち帰ります」

そう答えて、首領の部屋を出た。

＊・・＊・・＊

幹部室へ向かう途中、資料をパラパラと捲り、大体の事は把握した。

「っつーかこのオバサン、とんでもねぇ年下好きだな」

写真に映る、ケバい三十代のオバサンの写真を睨みながらそう云った。

「夜は毎日ホストクラブに、そん中でも気に入った男は持ち帰って監 禁かよ…」

正直、行きたくない。
首領の命令は絶対。背けば己の命が危うい。

…取り敢えず「女 喜ぶ物」でググってみた。

然し、沢山あり過ぎて何をプレゼントしてやればいいのかがより分からなくなる。

其処で、一つ案を思いつく。

サイトを閉じ、あの携帯遊戯アプリを開き、
『嫁愛してる』にチャットでメッセージを送る。

確か彼奴は女だった筈。彼奴に聞けば、何か分かるかも知れない。

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