3.俺は違うから… ページ3
「…ぱ……ぱぱー!!」
ドスッと勢いよく俺の腹辺りに重い何かが落ちると同時に聞き慣れた子供の声。
───何かが懐かしく虚しい夢を見ていた気がする。
ムクリと徹夜明けの鉛のような体を起こす。
「っうわあ!」
幼き体はそのまま体勢を崩しそうになるが、それを知っていたかのように俺は優しくキャッチする。
「ぱぱー、くるちー」
キャッチして自分の方へ引き寄せた幼き体が何か過去の自分を見ているようで心の奥が痛い。
「ぱぱー?泣いちぇるの?」
まだ発音の詰まりがある言葉に慰められたかのような自分が恥ずかしくなり
「あ、マジか〜パパ泣いてた〜?」
自分の息子相手に開き直る。
我ながらまだ子供っぽいと思う。
ドタドタドタと近付いてくる足音。
よく知ってるこの音。
「えっちゃん?起きた?」
スッと戸を開けて顔を出したのは最愛の嫁である。
「あ〜うん、今起こされた」
「そう、ってああああ!しょーくん何やっとるん!パパはお仕事やったんに?ゆっくりさしたりんさい!」
もーと言いながら自分の腹で構ってパンチ攻撃をしていた息子、星の手を引きながら和室を出ようとする。
俺はそれを見て咄嗟に引き留める。
「まって…」
「……!……えっちゃん、どうしたん?」
嫁の肩を抱き締めそのまま手を下に下ろしていく。
胸を越えてその下に新たな膨らみがある。
「……別に…何か俺幸せやわって思っただけ…」
普通に見ただけでも妊婦だと分かるぐらいの膨らみにさっきまであった心の凝りが無くなっていく。
「お父さんには頑張って貰わんとね!」
お腹に当ててある自分の手の上に嫁の手が重なる。
「ん?それってもう一人欲しいってこと?」
「…キラッキラした目で鬼畜な事言わんといて…星も居るんやし…」
呆れきった顔にやっぱ可愛いわ〜と癒されつつ更に抱き締める。
「パパとママまたなんかやっちぇる〜!」
いかにもイチャイチャしている両親を疑問に思った子供の発言にハッと我に帰る。
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作者名:名無しの羊 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nanasiworld/
作成日時:2016年9月3日 3時