幸せ６ ページ10
太陽が輝く、雲一つない昼下がり
奴良組本家の廊下には、神妙な顔をした男達が集まっていた。
黒田坊と青田坊は天に祈りを捧げ
河童は水面と水中を移動し
普段は冷静な首無はどこかそわそわと落ち着かず
烏天狗もパタパタと忙しく飛び回り
ぬらりひょんは難しい顔で腕を組んでいた。
そして誰よりも落ち着きが無いのは
さっきから部屋の前をウロウロと歩き回り
焦ったり真顔になったりと百面相を繰り広げる
奴良鯉伴であった。
鯉伴達が見守る部屋の中からは
鯉伴の妻・若菜の悲鳴や呻き声が聞こえる。
それが聞こえるたびに
男達はビクッと肩を震わせていた。
そう。
何を隠そう、今この部屋の中では
鯉伴の第二子が産まれようとしているのだ。
今朝方陣痛と破水が始まってから奴良組は大騒ぎ。
慌てに慌てる男妖怪達と
すぐさまお産の準備に取りかかる女妖怪達の足音が
塀を越えてドタバタと響き渡っていた。
そして何故夫である鯉伴が廊下に居るのかと言うと
『鯉伴様、鬱陶しいので出てって下さい！』
と、女妖怪達にポイッと追い出されたのだ。
主としては情けないが、やはり鯉伴も男。
二回目と言えど、やはり出産には慣れない。
愛する妻とまだ見ぬ２人目の我が子への心配から
より一層鯉伴の足の動きが早くなった時______
「…動きがうるせぇ！」
鯉伴「うぐぉっ！」
ドガッという音と共に
鯉伴の腰に強烈な体当たりが炸裂した。
この男相手にこんな真似が出来るのは
この屋敷でたった１人______
「さっきからウロチョロ鬱陶しいんだよ！
少しは落ち着け大黒柱！！」
ここ最近妙に男気が増した
鯉伴の第一子・Aである。
「親父のクセに情けねぇぞ。
俺の時もこんなだったのかよ。」
鯉伴「当たり前だ。
若菜と子の命が掛かってんだぞ。
これが落ち着いていられるかい。」
ぬらりひょん「全く情けないのぅ。
Aの方がお主より随分大人じゃわい。」
鯉伴「親父も俺が産まれたときはヤバかったってのは幹部共から聞いてんだかんな。」
ぬらりひょん「(おのれ牛鬼共…!!)」
「親子揃ってなにやってんだよ。
大体…
……!!」
「__＿_っぎゃあ！！おぎゃあ！！」
命の芽吹きは、突然であり、
必然である______。
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泪(プロフ) - 凛さん» 久々にこっち覗いてみたらコメント来てました…。遅くなってすみません！主人公の容姿は、今はまだ小学生なのですが、鯉伴に似た真っ黒な癖のある髪を肩につかない程度に伸ばしてます。山吹色の瞳も父親譲り。身長は平均位です。でも体重は軽いですよ。細身な子です。 (2018年5月2日 23時) (
レス) id: e487e4bccc (このIDを非表示/違反報告)
凛 - なんか文がごちゃごちゃになってますね（汗）すいません (2017年12月10日 21時) (レス) id: 3c998681bb (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 読ませてもらってます！また、更新してもらえると嬉しいです♪あと、主人公の容姿をよろしければ詳しく教えて貰えたらと思います。 (2017年12月10日 21時) (レス) id: 3c998681bb (このIDを非表示/違反報告)
泪(プロフ) - アキラさん» お、お早い！！楽しみにしてもらっているのが伝わってうれしいです！！今後はもっと早く更新するので、ぜひ続編も見に来てください！ (2017年4月10日 15時) (レス) id: 554fdb0399 (このIDを非表示/違反報告)
泪(プロフ) - ＮｏｉＳｅさん» 遅くなってしまいました！！今後はもっと早く更新するのでお願いします (2017年4月10日 15時) (レス) id: 554fdb0399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泪 | 作成日時：2016年8月23日 0時
