幸せ38 ページ45
目を開けば、そこは闇だった。
いや、違う。
目が慣れていないだけだ。
よくよく目を凝らせば、自分が薄暗い川辺にいる事が分かった。
何だココ…。
砂利だらけで身体いてぇ…。
とりあえず立ち上がって辺りを見渡す。
どこもかしこも同じに見えるな―・・・
「!!……花?」
川の向こう側に、明るく開けた場所が見えた。
大きな一本の木を中心に、色とりどりの花が咲いている。
何故だろう。
無性にあの場所へ行きたくなった。
急に眠気が襲ってきて、足がふらつく。
眠い、怠い、寒い。
早く、早くあそこに行って休もう・・・。
何だか、疲れた______。
“いけません。”
スッ、と、優しく手を握られた。
途端に包み込むように、桜の香りがした。
振り向けば
長い黒髪を輝かせ
少々幼げな顔立ちをした
十二単___だろうか?
とにかく華やかな着物を纏った、可愛らしい女性が微笑んでいた____。
あれ?この人、どっかで会ったっけ___?
何だか、無性に懐かしい様な____
“いけませんよ、A。
あそこへ行ってはなりません。”
「でも、俺もう眠い…。
あっちでゆっくり休みたい・・・。」
“貴方が行くべき場所はあそこではありません。
さ、私と一緒に行きましょう?”
「行くってどこへ…?」
“あそこです。”
そう言って女性が指さしたのは、ぽっかりと空いた暗く深い洞窟だった。
うっそうとしていて、普通に怖い。
「ヤダ。暗いし怖い。あっち行く。」
“そう我が儘を言わずに。
私も一緒に参りますよ。”
「でも・・・」
“奴良家の子が、そう簡単に畏れてはいけませんよ。”
「・・・分かった。」
そう言われては、敵わない。
俺は諦めて、女の人の手を握り、大人しく手を引かれるままに洞窟へ向かった。
ぼんやりとした頭で、「どうしてこの人、俺が奴良家の子だって知ってるんだろう。」と思いもしたが
眠気に溶けて、消えてしまった_____。
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泪(プロフ) - 凛さん» 久々にこっち覗いてみたらコメント来てました…。遅くなってすみません!主人公の容姿は、今はまだ小学生なのですが、鯉伴に似た真っ黒な癖のある髪を肩につかない程度に伸ばしてます。山吹色の瞳も父親譲り。身長は平均位です。でも体重は軽いですよ。細身な子です。 (2018年5月2日 23時) (レス) id: e487e4bccc (このIDを非表示/違反報告)
凛 - なんか文がごちゃごちゃになってますね(汗)すいません (2017年12月10日 21時) (レス) id: 3c998681bb (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 読ませてもらってます!また、更新してもらえると嬉しいです♪あと、主人公の容姿をよろしければ詳しく教えて貰えたらと思います。 (2017年12月10日 21時) (レス) id: 3c998681bb (このIDを非表示/違反報告)
泪(プロフ) - アキラさん» お、お早い!!楽しみにしてもらっているのが伝わってうれしいです!!今後はもっと早く更新するので、ぜひ続編も見に来てください! (2017年4月10日 15時) (レス) id: 554fdb0399 (このIDを非表示/違反報告)
泪(プロフ) - NoiSeさん» 遅くなってしまいました!!今後はもっと早く更新するのでお願いします (2017年4月10日 15時) (レス) id: 554fdb0399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泪 | 作成日時:2016年8月23日 0時