【奴良組】この手の中に幸せを。【ぬらりひょんの孫/男主】

幸せ31 ページ38

日も暮れて夜の闇が幕を降ろした。



奴良組は今日も賑やかで、喧騒や笑い声か飛び交う。






リクオ「それでね、あのね！その時氷麗がね！」


「そっかそっか。

でも女の子にあんまイタズラするなよー。」


リクオ「えー。」


「いや、えー。じゃなくて。」






鯉伴「・・・・・・。」


首無「？どうなさいました、二代目。」


鯉伴「いや・・・。」






険しい面持ちでAとリクオを見つめる鯉伴の胸裏には


この頃のAの変わりようへの疑念と心配が渦巻いていた。





ここ最近、Aは起きても泣いて自分を探す事はしなくなった。





起きてもボーっとしてはいるが、声を掛ければ「大丈夫。」と笑う様になった。


以前まで疲れ切って遊ばなかったリクオともまた頻繁に遊ぶようになって

リクオはよっぽど嬉しいのか以前にも増してAにくっ付いて回っている。


それを見た首無はもう悪夢は終わったのだと安堵していたが、鯉伴は違った。





何かを隠されているような気がする。


おまけに嫌な予感までする。



魑魅魍魎の主と謳われるこの俺が、身震いしてしまうほどの___。







鯉伴「…考えたって、分かんねぇもんは分かんねぇよなぁ…。」


首無「二代目…?」


鯉伴「よし。






首無、ちょっと出かけてくらぁ。

夕飯までには帰るぜ。」



首無「ハァ…。


って、はあ!!?」





首無が呆気に取られている間に、鯉伴はさっさと息子達の方へトンずらしてしまった。


またやられた･･･!!と悔やみつつも

さっきまでの主の顔に、首無も今日は怒鳴るのをやめた___。







鯉伴「ちょいとそこのお二人さん。

どうだい？俺と一緒に散歩でも。」


リクオ「わ、行きたーい!!」


「もうすぐ夕飯なのに?」


鯉伴「なーにそれまでには帰って来るさ。

ほら、行くぞ。」





そう言われて二人はいつも通り、父の手を握った。






　









“いつも通り”の仲良しな三人









“いつも”と違うのは







　









Aの顔だけが、笑顔ではなかった事だった_____。







　






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ＹＯＩ書きたい。

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