【奴良組】この手の中に幸せを。【ぬらりひょんの孫/男主】

幸せ12.5 ページ19

リクオ「ねぇおとーさーん。」






純粋な大きな瞳に、普段なら微笑む鯉伴も

今回ばかりはその瞳を直視出来ず庭の方へ視線を泳がせる。







鯉伴「あー…、そうだなぁ…。





お兄ちゃんに聞いてみな。」



「ふっざけんなくそ親父！！

親の役目だろコレは！」



鯉伴「お前さんの時に懇切丁寧に教えてやったろ？」



「首無がな！！

めっちゃ途切れ途切れに一生懸命説明してくれたよありがとう首無！！」



リクオ「ねーAー。」







くいくいと袖を引っ張って尋ねるリクオに

Aもうっ、と言葉を詰まらせる。


チラリと鯉伴の方を見るが、既に父の顔は明後日の方を向いていた。






「(あんの野郎…！！)」



リクオ「Aってばー。」








諦める気も逃す気もないというように

リクオはぎゅーっとAに抱きついた。



こうなると逃がしてくれないのは分かりきっていたので

Aは一度大きく深呼吸をしてリクオを見た。








「あれはな、"きす"って言って…。


んー…、っと






大好きな人に大好きって伝える為にするんだよ。」



リクオ「大好きって、伝える…？」



「そう。


でも大好きな人同士しかやっちゃいけないんだぞ。」



リクオ「そうなの？」


「そうだよ。


親父と母さんもよくしてるぞ。」






Aのその言葉に、鯉伴はぶっ、と吹き出した。






鯉伴「おまっ、見てんのかい!?」



「廊下で堂々といちゃつくのが悪い。

夜1人でトイレ行く時困る。」



鯉伴「マジでか…。」








息子からの衝撃の発言に絶句する鯉伴を他所に


リクオはじーっとAを見つめていた。






「？？

どーしたリクオ？」



リクオ「ねぇ、Aって僕のこと大好き？」



「世界一大好き。」



鯉伴「はえーな返事。」







するとリクオはにぱっと嬉しそうに笑って






リクオ「僕もAがいっちばん大好きー！」


















ちゅ
















小さなリップ音と共に


Aとリクオの小さな唇が

ぎこちなく重なった_______。









「…………え？」





間抜けな声をあげて固まるAに

リクオはちゅっと何回もキスをした。







「ちょ、リリリクオ!?///

待て待てまっ…、んーっ！/////」



鯉伴「…いやぁ。お前さんら本当に仲良しだねぇ。」



「見てないで助け…、んーっ！///」








結局Aはその日一日中

真っ赤になりながらリクオから逃げ回っていた____。

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