7話 ページ9
足元がふわりと揺れて。瞬きをするのが怖い。
セ「だから…ごめんなさいっす」
申し訳無さそうな顔をして頭を下げるセト
3秒位それをジッと見つめていたが
いつも通りに笑った。…はず
貴「そっかぁ…ははっ………大丈夫だよ!ね?それに、僕なんかよりマリーとセトのがお似合いだよ?うん。…付き合っちゃえば〜………なんて…」
いつも通りに喋ろうと思っていたのに………笑おうと思っていたのに………
継ぎ接ぎだらけの言葉。戸棚のガラスに反射しているひきつった笑顔。
最悪だ………
涙で視界が歪み始める
マ「えと…実は今日出掛けた時に付き合ったんだぁ〜皆が集まったら言おうと思ってたの!」
貴「…良かったね…マリー、セトの事好きだもんね…おめでと…」
涙が目にたまって来ていて。
貴「あーあっ!降られちゃった…へへ…失恋だね…
でも、言えて良かった。ありがとう。
お幸せにね〜」
精一杯の笑顔で明るく喋る。
これが今の僕に出来る事だ。
「食欲無いや」とキドに伝えて自室に戻る
マリーよりも先に告白を言えて良かった。
マリーのが早かったら何も言えなかった。
どうなってたか分かんない
コノハ…ありがとう。
リビングからはいつもよりは控えめだが明るい会話が聞こえてくる。
モモの「マリーちゃんおめでとうっ」と言う声は、言葉は僕の心をえぐるように耳に入ってきた。
モモとマリーは親友だもん。しょうがない。
僕のが早くここに入ったのに、、、
もっと早く素直になってたら何か変わった?
僕が「おめでとう」と言われてマリーが悲しくなった?
違う………最初から、こうなる運命なんだよ。
僕が大切と思う人は僕のせいで幸せを引っ掻き回されちゃうんだ…
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作者名:彩鈴 | 作成日時:2015年1月19日 2時