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3話 意識 ページ22

その後、黄瀬がお気に入りだというお店でカップケーキを買った。


素材の味を活かす、が売りらしく、クリームあくまで味を際立たせるための、最小限の量しかのっていない。


さすがモデルさん、太らなそう。



私たちはそれを持って近くの公園で食べることにした。


綺麗な庭園が近くにあって、いい雰囲気の公園だった。


でも今日は、何かのイベントがあるらしく、親子連れがたくさんいた。


人が、多い……



「Aっち、あそこで食べよ!」



黄瀬はそう言って嬉しそうに私の手を引いていく。


私も笑顔でうんと返事する。



親子連れ……


親子連れの心の声は意外と深い……


カップルの不満ならあははー別れろーでいいけど、親子連れは…心に刺さる……


でも、意識しなければ大丈夫。


聞かないように……


平気だ、いける……



でも……



私は繋がれた右手へ視線を落とす。



黄瀬は"そういう意味"で繋いでいるのかな?



黄瀬はモテるから……



普通なのかな……




わからない……




でも、聞いちゃダメ……



聞かないように、と意識すればするほど感覚は研ぎ澄まされていく。



(ったく、遅いなぁ)

(ママ、怒ってる…)


ダメ、聞いちゃダメ…



(ママどこ?)

(なんで俺がこんなこと…)



聞かない、聞かない……




(もう帰りたい…)

(また転んでる…)


ダメ、ダメ、ダメ…!!



(Aっち、手熱いな……)



それは、間違えない、聞き逃さない声だった。


嫌だ、聞きたくないのに!


今は聞きたくないのに!!


わたしは左手の拳を強く握った。



「あ、そうだ。なにか飲み物買ってくるっす!


ちょっと待ってて!」



黄瀬はそう言うと、手をするりと離し、自動販売機の方へ歩いて行った。



黄瀬がいなくなってもなお、声は四方八方から聞こえてくる。



あたまが割れそうなほど……



もう違う恐怖へと変わっていた。



息が荒くなる。


聞かないようにすればするほど聞こえてきた…



ああ、やばいかも……

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千兵衛 - かぼちゃポンタさん» ふっふっふ、そんなに甘くないのですよ( ̄+ー ̄)ww (2016年8月4日 13時) (レス) id: 2a11be005e (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃポンタ(プロフ) - 告白じゃ、ないんかーい!笑でもいいですねまさかの展開!!(≧∀≦)ノワクワク (2016年8月2日 11時) (レス) id: b325383cfb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千兵衛 | 作者ホームページ:http://kagekage  
作成日時:2016年6月12日 14時

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