3話 告白 ページ19
「じゃあ……Aっちは、今俺が言おうとしていた言葉も、全部分かってたって事ッスか……?」
黄瀬が私を抱きしめる力を緩めた。
嫌だよ…行かないで…黄瀬…
声にならない私の叫び声が、頭の中でこだました。
「俺、自分の本当の気持ち言うの苦手なんッスよ…
みんなが思う、モデルの黄瀬涼太でいようと、キセキの世代の黄瀬涼太でいようと…
必死だったんッス」
黄瀬が、優しく私の頭を撫でくれる。
黄瀬の心の暖かさが、伝わってくる。
先ほどの不安を、溶かしていくように……
それと同時に、黄瀬の叫びが聞こえてくる。
俺の心をわかってくれる人が良かったって、安心する声も聞こえてきた…
こんなに、すんなり受け止めてくれるなんて不思議だった。
絶対に、気味が悪いと言われて、突き放されるだけだと思っていた。
「俺、ちょっとわかってたんッスよ…
カフェでケーキ食べた時、ちょっと不思議だなって思って、それからずっと……」
「Aっち、俺にちゃんと伝えてくれて嬉しい。
Aっち、人の心読めるのは、別に悪いことじゃないと思う。
だから、もう泣かないで……」
黄瀬はそう言って、私の頬に手を添える。
黄瀬の緊張が伝わってくる。
「俺、笑ってるAっちが好き。
だから、ずっと俺の側で笑ってて……」
黄瀬は儚そうにそう呟いた。
そして、優しく私の唇に触れる。
でも、そこからはもう離さない、俺のものだっていう強い意志も伝わってくる。
なんであんなに悩んでいたのだろうか。
黄瀬なら、受け止めてくれる……
やっぱりそうだった…
私は、やっぱり黄瀬が好き。
体育館で、必死にボールを追いかけてたあの時から、黄瀬が好き。
今は、私を受け止めてくれた黄瀬がもっと好き。
私は、もう一度、君に恋をした____
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千兵衛 - かぼちゃポンタさん» ふっふっふ、そんなに甘くないのですよ( ̄+ー ̄)ww (2016年8月4日 13時) (レス) id: 2a11be005e (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃポンタ(プロフ) - 告白じゃ、ないんかーい!笑でもいいですねまさかの展開!!(≧∀≦)ノワクワク (2016年8月2日 11時) (レス) id: b325383cfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千兵衛 | 作者ホームページ:http://kagekage
作成日時:2016年6月12日 14時