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「……もういいっス。でも雷はマジで出たんで」
「あーはいはい。わかったわかった」
わりとしつこい黄瀬を宥めつつ、部屋の真ん中に座り込む。
ドア付近にいたら危ないからね。自衛大事。
黄瀬も諦めたのか、私の左隣に腰を下ろした。
「……これからどうしよっか」
見覚えのない場所。外には化け物。そして夢ではないこの状況。
漫画やゲームなら、力を合わせて脱出する、というシナリオになるのだろうか。
ちらりと黄瀬の方を伺うと、黄色の瞳と目が合った。何こっち見てんの。
「何、その紙」
「紙?……あ」
視線の先には、古ぼけたメモ用紙が落ちていた。
くしゃくしゃのそれには、かろうじて読めるほどに掠れた文字が書かれている。
『な な ふ し ぎ を』
いよいよ脱出ゲーっぽくなってきたな。
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lkwisterven - 呪われてしまえ?わかった夢主は私的なものだから (2019年7月21日 20時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
しゅがー - 更新頑張ってください! (2019年2月16日 11時) (レス) id: a5a1e22d7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空蝉 | 作成日時:2019年1月6日 9時