5 ページ6
「……アンタ、何言ってんの」
「間違いないよ。私は『口裂け女』に追いかけられた」
小さい時に聞いた怪談。
大きなマスクをつけた女が「私きれい?」と尋ねてきて、「きれい」と答えれば裂けた口を見せてくる、というものだ。
あのお化けはたしか、鎌で襲いかかってくるのではなかっただろうか。
あの血が滴る口も、ギラギラ光を反射する鎌も、作り物には見えなかった。
________あれは本物の『口裂け女』だ。
「そ、んなの……いるわけ……」
「うん、いるわけない。だからさ」
私は自分の頬に手を当て、
「______これ、夢だわ」
そのまま、力いっぱいつねり引っ張った。
「っっっ痛い!!!!!」
「……は!?え、何してるんスかマジで!!」
「いや夢だから早く覚めようと思って!!でも痛い!!どういうこと!?どういうことなの黄瀬!!!!」
「知らないっスよ!!」
結果、ほっぺがヒリヒリしただけで終わった。
黄瀬の呆れた目が刺さる。精神的にも物理的にも痛い。助けてほしい。
38人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lkwisterven - 呪われてしまえ?わかった夢主は私的なものだから (2019年7月21日 20時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
しゅがー - 更新頑張ってください! (2019年2月16日 11時) (レス) id: a5a1e22d7d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:空蝉 | 作成日時:2019年1月6日 9時