5. ページ5
「Aはどうして、あんなところにいたの?」
彼は私の顔を覗き込むようにして見ると、そう聞いてきた。
「家に、居場所が無くなったんです。」
「へぇ、どうして?」
「……親、離婚しちゃって。私は父に引き取られたんですけど…」
父は、私の面倒なんか見ずに…すぐに、新しい女を作った。
その女にとって、私は邪魔な存在で。『いらない子』とか、『出ていけ』とか……何回も言われた。
最初は言葉だったものの、しだいにそれは暴力へと繋がった。
それに耐えきれなくて、考えも無しに家を飛び出したわけで。
「母は離婚届だけを置いて、私に何も言わずにでていったので…たぶん、新しい男でも出来たんじゃないかと思ってます。……って、ごめんなさい。重い…ですよね?」
「…いや、いいよ。無理に話させてしまって申し訳ないね。辛いこと…思い出させてしまって。」
「大丈夫です。むしろ、すっきりしました。…誰かに、相談もできなかったから…」
大きく、伸びをしてそう答える。すると彼は、何か疑問に思ったのか…首をかしげた。
「Aは今、中学生?」
「…あ…はい。」
「高校は、決まってるの?」
……高校、か。そう聞いてくるってことは…彼はもう高校生なのかな。そしたら、年上だ。
「まだ、特には…」
「じゃあ、うちに来なよ。」
「……うち、とは…?」
まさか、ここ?Eichi's home…?いや、違うよね流石に。
378人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きたれれ - とてもおもしろかったです!更新楽しみにしています。頑張ってください (2016年11月23日 12時) (レス) id: 55896c85bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:睦月 | 作成日時:2016年10月31日 16時