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24. ページ25

「…ま、そんな感じだ。恋愛もいいけど、ほどほどにな。」


佐賀美先生はそのまま、机に向かってしまった。


………レオに、謝らなくちゃ。


だけど、震えて声が出ない。



…嫌われたかもしれない。レオの隣に私がいちゃ、駄目かもしれない。


そんな気持ちが頭の中でぐるぐると周り続ける。


私はとりあえず、その場から逃げ出したかった。
座ってた椅子から立ち上がり、そのまま保健室を走って出る。


「……っ…!」


レオのそばにいたら、やっぱり迷惑になってしまう。
小さい頃とはもう違うんだ。私だけが、独り占めできるわけじゃ、ないんだ。


無我夢中に、私はただひたすら走った、そのとき。
曲がり角で、秋歩とぶつかってしまった。


「…うわっ…!」


「…ご、めん秋歩……」


よろけて尻餅をついた秋歩に手を貸す。だけど、彼女は私の手を、


……強く、振り払った。


「……え…」


じんじんと痺れる手の痛み。何が起こったかわからなかった。


「……レオ様とのあの記事は、どうなった?」


彼女はにこにこと笑い、私にそう問う。


「…先生に怒られた。もう学院中にしれわたってるみたい。…レオにも。迷惑、かけちゃったな。」



私がそう答えると、秋歩はにやりと笑い、私をとん、と押してきた。


「……え……?」


ぐらり、とバランスを崩すが、なんとか立つ。そして、目の前で笑顔を崩さない彼女を見た。


「レオ様に迷惑かけるくらいなら、もう近付かなくていいんじゃないかなぁ。」


「……なに、言ってるの……?」


……私が今わかることは、秋歩が今までとは違う、ということだった。

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my mame - るかちゃんの名前はカタカナではなくて平仮名ですよ (2018年2月22日 21時) (レス) id: b181078f9f (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - いいねー、うまい (2016年5月27日 16時) (レス) id: 5d58c5c7e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睦月 | 作成日時:2016年5月20日 19時

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