きっかけが突然過ぎて。【月永レオ】

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「……A………」


先輩は、そう言うと私を抱きしめてきた。


「……ふっ！？」


「…おまえ、ほんっとうにかわいいな！大好きだ！愛してるよっ☆」


にこにこ、笑いながら。


レオ先輩は、私を更に強く抱きしめた。


先輩のパーカーが肌触りよくて、頭を擦り付けた。


「…ん…」


「うわっ！なんだ、どうした？甘えんぼさんか〜？」


「……先輩のパーカー、気持ちいい…」


…いつも先輩から香っている匂いがする。


好きだなぁ、やっぱり。


「そっかそっか！なんなら着る？今なら一瞬だけ貸すけど？」


「……き、着させてください…っ！」


こ、このパーカーを着させてくれるだと…！？


私は妙にテンションがあがっていて、先輩のパーカーを手にとった瞬間に、パーカーを抱きしめた。


「…あ〜……」


「そのパーカー、おれのお気に入りなんだ☆」


自慢気に語る先輩の言葉は、私のある一言で、中断された。


「……レオ先輩の、匂いがする…」


先輩が持っていたペンが、床にカツン、と音をたてて落ちた。

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