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「ま〜、そういうことだから!じゃ、セナ、A、また明日☆おれは帰る!」
レオはそういったあと、風のように去っていった。
そういうことって、どういうことなんだろう……?
泉はそんなレオを見て、ため息をつきながら、ちら、と私の方を見てきた。
「A、帰るよ。」
そういって、ぐい、と引っ張られる。
「…え、あ…ちょっと待ってよ、私、鞄…」
とりにいかなきゃ、といいかけたとき、泉は無言で片手に持っていた鞄を渡してきた。
「…え、なにこれ…?」
「何って…Aの鞄だけどお…」
……まさか、取ってきてくれたの…?
忘れてたけど、泉は優しいところも、あったんだ。
「…ありがとう、泉。」
笑って言うと、泉はどこか照れ臭そうに、こう続けた。
「別に〜。ま、お礼は夕飯のエビフライ二本かな〜?」
……前言、撤回。
さっきのあの感動を返せ。
二本エビフライあげちゃうと私はエビフライ一本でご飯を完食しなきゃいけなくなるんだよ!
まあ、でも。鞄を取ってきてくれたり、私の身を心配したり。
いい『お兄ちゃん』だとは思ったから、せめて一本はあげるよ、『お兄ちゃん』。
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あづにゃん(プロフ) - とても面白かったです!!これからも頑張って下さい♪ (2016年2月20日 17時) (レス) id: 77a53820e2 (このIDを非表示/違反報告)
胡桃(プロフ) - 続き楽しみにしてますー! (2016年2月18日 22時) (レス) id: 4d959f0cfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睦月 | 作成日時:2016年2月16日 14時