すぐ近くに。【月永レオ】 (ページ12)

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「…それ、まだあったんだ。」

「…っ、泉…！？」

びっくりした。驚いて、一時停止ボタンを押してしまった。

急に後ろに立ってるもんだから。

気をとりなおして、もう一度再生する。

『～♪♪』

あ、今度はリズムがいい曲だ。

「その曲そんなに好きなの？」

曲を聴きながら、顔が緩んでいる私を見て、泉が言った。

「好きだよ。Knightsの曲って、どれも凄く素敵だよね。心惹かれるって言うか…」

「ま、王さまが作ってるんだしすごいんじゃない？アイツの曲聴いた奴って、みんなそういうよ。」

……王さまが、作った…？

「い、泉！？王さまが作ったって…？」

「話してなかったっけ？ほとんどアイツが曲作ってるよ。」

知らなかった。

こんなすごい素敵な曲、作れる人なんてそうそういない。

そんな神みたいな人と、泉は知り合いなんだ。これって、凄くない！？

「い、泉！明日さ、王さまと会うときある！？」

「だから王さまは今学校来てないの！」

「…良ければ言っといてほしいんだけど…『曲、すごい素敵でした』って…お願い！」

「人の話聞いてたぁ！？」

そこをなんとか、と手を合わせてお願いする。

すると、泉は負けたと思ったのか、ため息をついて了解してくれた。

「あ、ありがとう！私、泉のそういうとこいいと思う！」

「はいはい。感謝しなよぉ？」

私はもう一度ありがとう、と言って、ソファーに座って続きを見た。