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「あいつから?」
寝室を出て戻ると、レオが床に座りながらそう聞いてきた。
そうだよ、とだけ答える。
ブレスレットをわかりやすい位置に置いて、私も床に座った。
すると、レオは何やら周りを見渡し、んん?という声を漏らした。
「…なんか、香水くさい」
そう言って、彼は顔をしかめる。
私の側に来て、くん、と匂いを嗅ぐ。彼はあまりこの匂いが好きではないのか、うげ、と言うとすぐに離れた。
「おまえ、こんな匂いが好きなの?」
「…いや、もしかしたらあの人のかもしれない。いつも、香水使ってるから。さっき寝室入ったときに匂いがついちゃったんだと思う。」
カチ、と窓のロックを外し、窓を開ける。
今日は風が強いのか、家に篭っていた熱っぽい空気も、それに呑まれて無くなっていった。
「趣味悪いな〜?もっといいやつ使えばいいのに。キツイぞこれ」
「しょうがないでしょ、次の女に会うまでに私の匂い消さなきゃいけないんだから。」
「次の女?」
やばい。
口が、滑った。今のは言わなくてもよかったのに。
「次の女って、なんだ?」
これじゃあますます、面倒なことになってしまう。私の馬鹿。今のを言わなければ、彼が浮気をしてることがレオに伝わることはなかったのに。
黙ってようかと思ったが、これだとずっと聞いてくると思ったので、私は答えた。
「浮気」
実際に自分の口で言うのは、流石に辛いものがある。
現実を、突きつけられているようで。
「浮気、してんの。あの人!」
私がそう叫ぶように言うと、彼は目を見開き、驚いていた。
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マリー(プロフ) - ただ一言と言っておいてまた来ました。とすごく気になるストーリーです。頑張ってください! (2017年9月14日 23時) (レス) id: 5afa144aee (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - ただ一言!応援してます! (2017年9月4日 21時) (レス) id: 5afa144aee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睦月 | 作成日時:2017年9月2日 1時