【鬼灯の冷徹】輪廻転生〜矛盾〜

漆拾捌 ページ33

鬼灯side




鬼灯「…今日はすみませんでした」




A「？…ああ、今日が本番だと騙したことですか？本当の本番は明日なのに」




鬼灯「ｯ…すみませんでした……」





嫌味や文句を言われても仕方ない


Aさんに止められてやめましたが、結局三回程通したのですから





A「冗談です」ｸｽｯ




鬼灯「…………」





冗談と笑っているが、第二補佐官という立場であるAさんも、出場していないのに疲れきった顔をしていた




………貴女がここまで疲れてしまうなら、もっと早くにやめるべきだったかもしれない……





A「鬼灯さま大丈夫ですか？大分お疲れのようですが…」





貴女の方がよっぽど疲れているでしょう


目の下にうっすらと隈ができていますよ





そう声をかけたいのに、Aさんの私を気遣う言葉や声音、そして心配するような優しい表情に、どうしても甘えたくなってしまう





我慢ができなかった





ｺﾂ





鬼灯「……Aさん……」




A「……お疲れ様です、鬼灯さま。毎日駆け回っていて、疲れたでしょう。ですが、運動会の準備をしている時は凄く楽しそうでしたよ」





それもこれも、カバーをしてくれた貴女のおかげです





そう言いたくても、やはり甘えたい気持ちの方が大きくて、Aさんの肩に顔を埋めることしかできなかった




更にAさんが頭を撫でてくれるのだから、甘えたい気持ちに蓋を閉められなくなってしまう





A「もうお休みになって下さい。明日はまた早いでしょう」




鬼灯「あともう少しだけ…」




A「駄目です」





こういう時のAさんは揺るがない



私だって、眠いです


ですが貴女から離れたくない





鬼灯「……一緒に、寝てくれるのなら…もう寝ます」




A「………分かりました。じゃあ横になって下さい。私もやることをやってから寝ます」




鬼灯「………駄目、です……一緒に、寝て下さい…」





自分でも、何を言っているか分からない



しかし眠気は増す一方で、ついにAさんごとベッドに寝転がった




普段から体温の低いAさんは程よく涼しく、暑い夏には丁度いい




加えてAさんの香りまでする





私が落ち着かないわけがなく、ストンと意識が落ちていった

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