｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿伍. (ページ8)

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早朝ピクニック＿＿壱ページ8

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陽は傾き西へと沈みまた長い時間をかけて東から陽が昇る

侍女の紫京により起こされたAは身支度を済まして台所に立った。いつもなら侍女達が朝餉の用意をしてくれるのだが今日は演習試験…朝餉は｢要らない日｣である

その代わり重箱を用意して、炊き立ての白米を握り、煮物を作っている間にソーセージを焼き、ポテトサラダを作り、小さい竹串に肉団子を刺して焼く。最後はワカメと豆腐の味噌汁を作って大きい水筒に入れれば終わりだ

『勇者様、此方レジャーシートと寝袋です』

｢ありがとう、口寄せの巻物の上に置いておいて
シスイさんのご飯も用意しておいたから十時前に起こしてくれれば大丈夫｣

『御意』

重箱を布で包み水筒諸共口寄せの巻物に仕舞い込む
武器の出し入れもそうだがやはり口寄せは便利だ
代償に血が必要となるが事前に採血しておけば態々指を噛み切る必要も無いのだし

以前の血之池一族との戦いがこんな事に役立つとはあの女も想像しておるまい

｢忍具良し、巻物良し、武器良し……"イズナ"君、今日も頑張ろうね｣

飾り紐の下から(・・・・・・・)ビードロサイズの紫水晶が入った小瓶を取り出して語り掛ける。学校時代変わらず任務服でも首からソレを掛けていた。飾り紐が重なって側からは気付かれないがちゃんと身に付けているのだ

答えぬ石に微笑んで仕舞い込むと靴を履いて飛雷神で第三演習場へと飛ぶ。時刻はようやく鶏が鳴き出すであろう時間だ、なのに三人共律儀に集まっているのだから思わず顔を引くつかせる。こんな早い時間に来てもカカシは絶対に来ないんだぞ君達！

｢ナルト、サクラ、サスケ、おはよう｣

｢Aおはようだってばよ！｣

｢おはよう……って、随分荷物が少ないのね？｣

｢あたし基本的に巻物(こっち)派だから｣

巻物を一本取り出すとストックしていた血で早速口寄せの術を使った

出て来るのは朝起きて用意した重箱の弁当とお味噌汁が入った水筒と暖かいお茶が入った水筒。三人が座って寝ても大きく余るレジャーシート&寝袋である

｢｢｢⁉︎｣｣｣

口寄せと言えば武器か契約動物がイメージの彼等にとっては、それだけで目を瞠るには十分なようだ。そんな彼等に対してニコリと笑いながら

｢三人共〜レジャーシートと弁当と寝袋とお茶持って来たからこっち来て？｣

折角同じ班になれたのに昨日のお昼は一緒に食べれなかったんだ

昼食ならぬ朝食だが仕切り直しで親睦でも深めようでは無いか？

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