｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿伍. (ページ11)

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帳尻合わせられればそれで良し？＿＿弐ページ11

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｢もしかしたらナルトなら説得出来るんじゃないかな｣とか｢ナルトなら共闘してくれるじゃないかな｣とか思ってた自分がどれだけ馬鹿だったのか身に染みてよく解った

最初から声を掛けるんじゃなかった
ナルトもサクラもサスケも声を掛けず全員が全滅するまで待つべきだったのだ。どの道この演習で一番大事なのは昼に弁当を脱落者に食べさせるか否か、帳尻合わせられれば全て良しなのだ

｢…やっと来たねA。そろそろ来る頃だろうと思っていたよ｣

｢ははは、来るとかただの順番でしょう先生？｣

｢まぁね
で？何で今迄出て来なかったか聞かせて貰える？｣

｢あんたの遅刻程じゃないんだけどな｣と言う言葉は呑み込んでおいた。飄々とした態度でもこの男の根底はいつ何時だって｢忍｣である

ナルトにはフラれた上サスケやサクラも同様に説得に応じない。この演習の目的も気付かないせいで泣く泣く傍観者やめて自分がカカシと対峙するその理由…それは、

｢だってこれ…一人が鈴を取りに行っても意味ないじゃないですか｣

｢！｣

｢しかも相手は上忍であたし達はなりたてホヤホヤの下忍ですよ？この場合本番(ガチ)なら一人が殿で味方全員を逃すか、玉砕覚悟で全員でかかるかの二択。この演習だと後者の筈が前者って処でしょうか？｣

フィンガージェスチャーを交えながらAは目を細める

勿論鈴を取って三等分にしナルト達に渡すでも結構
若しくは自分以外の全ての鈴を掻っ攫って三人に渡す事だって出来るのだ

全くチームワークでは無いけれど

｢……成程ね
お前は"この演習の目的"が解ったって事｣

｢あ！何故皆に教えなかったのかは怒らないで下さいね？あの三人には一度お灸を据えた方が良いと思ったので｣

これで言及されたら堪ったもんじゃない
お生憎様お姉ちゃん属性とは言えども｢甘い｣と｢優しい｣は別である

ポーチから巻物を取り出し愛刀たる｢黒曜切｣と｢白曜切｣を両腰に掛け、他愛もない話をする様な声音でこう告げた

｢って事で鈴は取りませんけどカカシ先生としては一応個人の実力を測りたいでしょう？時間になるまで相手して頂く形で良いですか？｣

｢ハァ…お前くらいなもんだよ
そんな事言うの｣

パタン、と愛読書基イチャパラを閉じて此方を見据えるカカシ。どうやらAはサスケと同じ枠組みに入っているらしい。と言うか最初から閉じるってアリか⁉︎

｢それではいざ……勝負！｣

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