｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿肆. (ページ50)

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墓参り＿＿伍ページ50

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｢だって里にマダラの墓は無いでしょう
抜忍に墓なんて大層なものを使って弔えないもんね｣

｢……………｣

｢あたしにとってはここが彼奴の墓場みたいなもんだって思ってる。まぁ…今何処で寝てるのか解らないからココしか無かったんだけどさ｣

本当はイザナギを使って己の死を無かった事にした後、あの暗い暗い洞窟に隠れたのだけれど

でも結局のところ寿命で死んだマダラをオビトがどう扱ったのかは解らない。普通に弔ってくれたのか…それとも復活を前提にしているから棺桶にでも入れてそのままなのか………どの道どうしようもないほど暗い場所で眠ってるのには変わりないだろう

｢マダラ…来たよ
早く来ちゃったから君は其処には居ないかな？そしたらごめんね｣

そう言ってAは赤色でラッピングされた花束をマダラの石像の側に置いた。杏の花に敦盛草、白のカーネーションやシオンの花が見繕われている中に目立つ赤色の花がある。その花は毎年いのに頼んで入れて貰っている花だ。最初は赤くて写輪眼みたいに綺麗で選んだだけだったが……花屋の娘である彼女にはニヤニヤされたのを覚えてる

花の名は｢アモネモネ｣、赤のアモネモネの花言葉は＿＿＿＿＿＿＿＿｢あなたを愛します｣

(大好きだよ、今も昔も…)

一緒に居る未来は昔もこれからだって望めやしないけど

それでも…愛していたのは確かだった

｢マーキングを付けて……これで良し
付き合わせて悪いねダンゾウ、一緒に来てくれてありがとう｣

｢Aー？オレには？？？｣

｢ははは、シスイさんはあたしの護衛じゃないですか。四六時中一緒に居ないと怒られますよ？｣

｢ほら其処に怒ると怖ーいおじいちゃんが居るじゃないですか｣と揶揄い気味に言ってやれば、ダンゾウは｢ワシを使った戯れはやめて下さいA様｣と真面目に返された。全くノリの悪い堅物である

｢シスイさんにはいつも感謝してますよ
任務の時も着いていてくれるんでしょう？だよねダンゾウ？｣

｢勿論です、A様は放っておくと無茶をしかねませんからな。ワシの希望で"元暗部の上忍師"をA様が入る班の担当上忍に推薦しておきましたわい｣

｢元暗部の担当上忍師って…あー……｣

…うん、思い当たる人が一人しか居ない
何だこの確定ガチャみたいなパターン
嬉しいと言えばそうだけど素直に喜べないとはこれ如何に

(あたし…七班かぁ)

はははと苦笑いしてちょっと
頭を抱えた自分であった

…胃に穴空かなきゃ良いな

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