｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿肆. (ページ45)

今日:9 hit、昨日:16 hit、合計:17,722 hit

重なる影に雷神を＿＿拾ページ45

.

ミズキをナルトがフルボッコだドンしたのと丁度、Aもイルカの治療を粗方終えた処だった。顔の骨変形してるのでは？と疑ってしまう程のオーバーキル。ナルトは｢へへ…ちっとやりすぎちった｣と頭を掻きながら言うが顔はニッと笑っていて思わずクスリと微笑した

｢はい、応急処置ですが終わりました！後でちゃんと病院行って下さいね！｣

｢有難うなA……ナルトちょっとこっちに来い。Aもオレの前に。お前達に渡したいもんがある！｣

(え…まさかこれって……‼︎)

イルカに呼ばれて自分はナルトと並ぶ形で前に座った
すると｢お前らオレが開けて良いって言うまで目を閉じてろよ｣と言われ目を瞑る

…さっきから心臓の高鳴りが止まない
物凄く今胸がドキドキしている
過去にあったそれとは全く別だけれど原作を知ってるから貰える物に対して嬉しくて仕方がないんだ

(あたしにも軌跡が起きてくれたんだ
最初はミズキの罠に敢えて嵌って返り討ちにしてやろうってナルトを守ろうと思ったからだったのに…)

瞳を瞑る中イルカの指がAの髪を掬いつつ後頭部に｢布｣を回しキュッと絞める音がした。｢額｣が少し重い。だけれどそれ以上に｢ソレ｣を貰えて嬉しいのだ

｢先生…まだ？｣

｢目開けて良いですか…？｣

｢よし！もう目開けて良いぞ…｣

胸が高鳴ったままAもナルトも目を開ける
開けて最初に視界に映ったのは＿＿＿＿イルカ先生の満足そうな笑顔だった

嗚呼やっぱりあたしとナルトは…

｢"卒業…おめでとう"｣

｢ｯ‼︎……有難う御座いますｯ…イルカ先生ｯｯ！｣

｢こらこら泣くなって
今日は卒業祝いだラーメンをおごってやる！｣

そう言われたって涙が止まらない
これは嬉し涙であり安堵の涙…漸く一つ報われた願いだ

＿＿カァー！

｢！｣

(鴉…あれはシスイさんの…見付けてくれたって事は)

Aは袖で涙を力任せに拭うと試しに周りの自然エネルギーを吸収する

成程…そう言う事か
これはちょっと申し訳ないが仕方がない
自分は扉間の小隊を引き継いだつもりは全く無いのだが？

｢おーいA！一楽行くってばよー！｣

｢ちょっと待ってー！
…あんたには一応感謝してるよミズキセンセ？あたしは君を許すけどさ…うちの問題児達は許してないぜ？明日の朝日を無事見れると良いな？｣

森に潜む木の根が獲物を狙うのを確認し自分は男を見下ろしながらトドメの様に最後こう告げるとAはナルト達の方に駆けて行ったのだった
.